1章 3話

いつもと違う光景。


そこには銀髪の男の人が立っていた。


同じ制服を着ているけど、男の子ではなくて男の人って感じがする。


背中を向けられているから顔は見えないけど、雰囲気でも顔が整っているんだろうなって思う。


あと身長がとても高い。


屋上に私が入ってきたのに気づいたのかこちらを振り向く。


私の事を見つめた後に言う。


「…あー。ここあんたの場所?」


「…へ?」


急に話しかけられて、変な返事をしてしまった。


「…あ、いや、私の場所とかじゃないですけど…」


「ふーん」


ピ、ピアスをつけている…


なんか制服ちょっと気崩してるし…怖い…


私がじろじろ見てたのに気づいたのか、彼が口を開いた。


「…何?」


そう言われて、そそくさに私はいつもの場所に早歩きで行った。


お弁当を開けて後ろを振り向くと、そこに彼はもう居なかった。

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