第12話 みんなが一生懸命やっている時に遊んでいると罪悪感がやばい
帰りのホームルームを終え、放課後。僕は部室に行く。昼休みと同じく
部室の前に到着したので扉を開ける。すると、マスクをつけて部室を掃除している
僕たちが部室に入ってきたことに気が付くと
「
綾川先輩が言う。
「なんで掃除してるんですか?」
「ここ、私たちが文化祭で使う場所だから」
と綾川先輩が答えた。
僕たちもマスクを着用し、掃除を手伝う。でも、僕がほうきを持つと神宮さんが
「私が宮都様の分まで働きますので、宮都様はスマホでゲームでもしててください」
と言って掃除に参加させてくれなかった。
なので久しぶりに[アシストゼロ]、通称[アト]と呼ばれるスマホゲームを起動してログインをする。このゲームを僕はリリース直後からやっている。なので僕は古参プレイヤーである。
ゲームの内容は、プレイヤー同士で協力しながらストーリーを進めるという、ゲーム名とは真逆の新感覚の協力型RPGである。もちろん[教団]を作ることが可能で、教団のメンバーと会話ができ、[教団]メンバーとストーリーにを進めることができる。ちなみにだが、ソロでできるのはミニゲームとログインとイベントのみである。
ログインをすると、僕の教団"黄昏"を設立して以降、ずっといる2人のプレイヤーのうちの1人、プレイヤー名がニケという人から
〈ニケ〉『おい、ロンド!なんでログインを2週間以上しなかったんだよ!寂しかったぞ!』
とチャットがきた。ロンドは僕のプレイヤー名である。
〈ロンド〉『諸事情でログインができなくてね。ごめんな。』
〈ニケ〉『なら仕方がないな。今日、19:00からボスイベントがあるから一緒にやろうな!』
〈ロンド〉『了解』
と打つと、僕がこのギルドを作って以降ずっといる2人目のプレイヤーの
〈撫子〉『ボスイベか。いいね。行こうか!』
とチャットが送られてきた。撫子も一緒に行くらしい。
〈ニケ〉『お前、出オチすんなよ?』
〈撫子〉『お前もな?』
とチャットを送ると2人からチャットで『www』と送られてきた。
ちなみにだが僕のギルドにはこの2人しかいない。後は引退もしくは他の教団に移籍してしまった。
チャットで楽しく会話していると、神宮さんが
「宮都様、掃除が終わりました。ところで、宮都様。画面を見て1人で笑っていますが何を見ているんですか?」
と聞いてきた。
「ゲーム友達のチャットのやり取りを見てる」
「そうなんですか。ゲーム名は何ですか?」
「アシストゼロ。通称アト。一緒にやるか?」
と勧めてみる。
「宮都様がやられているなら是非」
と言うと神宮さんがスマホを出して誰かに電話をし、
「アシストゼロを家のスマホにインストールして頂戴。」
と誰かに指示を出しつつ
「宮都様の情報をすべて教えてください」
と言われたので
「ギルド名は黄昏。プレイヤー名はロンド。所属している人はニケと撫子。プレイヤーIDはスクショして送るからLETTERのIDを交換しよ」
と僕が言うと、「1回通話を切りますね」と言って通話をやめ、LETTERのIDを紙に書き、
「入力してください」
と言われたので入力し、友達に追加した後、プレイヤーIDをスクショして送る。
すると数分後、”教団黄昏に加入申請があります。許可しますか?YES/NO”という表示が出たのでYESを押す。すると
「無事、加入できました!」
と言って神宮さんがスマホ画面を見せてきた。確かに、無事成功だな。と思っていると、僕は、そういえば掃除終わったのかなと気になったので神宮さんに聞くことに。
「神宮さん、掃除終わったの?」
「まだです。今、床をふくためにお湯をもらいに行きました」
と答えた。
数分後、お湯をゲットした由希先輩と綾川先輩が「重い~、疲れた~」と言いながら戻ってきた。
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