第3話午後の授業が終わるとたいていは天国
午後の授業も睡魔との戦いだ。サドンデスだ。一撃食らうと眠りに入ってしまう。なので耐える。ある人は定規を太ももに刺していたり、ある人は睡魔に負けていびきをたてて寝ている。その人は先生に教科書で頭を叩かれる。
「ドンッ!」と音が鳴った。いい音だなぁ。
そんなこんなで2時間の授業が終了して放課後。
「後輩く〜ん、一緒に帰ろ〜!」
「
「え?ダメ?」
と由希先輩が上目遣いで僕のことを見てきた。もちろん僕が負けました。
「すいません。じゃあ、帰りましょうか」
「それでいいのだ!」
由希先輩とたわいもない話をしながら分かれ道まで一緒に帰り、そのあとは由希先輩と別れて僕は家に帰る。
家に着いて扉を開くと
「おかえり!お兄ちゃん!」
そう言って僕を出迎えてくれたのが
これは僕の見解なのだが、両親がいじめの証拠集めで忙しかったので、僕は空き時間があれば鏡花の近くにずっといた。なので僕に甘えるようになってしまったと考えられる。
鏡花が、僕を出迎えたということは褒めて欲しいことと、頭を撫でて欲しいという意思の表れである。なのでまず、頭を撫でてあげることに。
「んっ、お兄ちゃん気持ちいい。もっと!」
と言ったのでもっと頭を撫でてやる。すると、僕の胸に頭をぐりぐりし始める。可愛いが、そろそろ僕の肩が限界なので、
「荷物置きたいし、着替えたいからまたあとでな」
と言うと、
「えっ?ヤダヤダ!」
と駄々をこねるので、
「今、言うことを聞くと1時間プラスします。」
と言うと、
「約束だからね?」
と言って離れてくれた。僕は自分の部屋に荷物を置き、素早く着替え、弁当箱を持って下に降りる。
「今日部活あるんじゃないの?」
そう母に聞かれたので
「部長が忙しいから今週やらないってさ」
と答えると、
「もう愛好会に改名しちゃえばいいのにね」
母がそんなことを言った。すると鏡花が僕のそばに来て
「お兄ちゃん、約束!早く!」
と急かしてきた。
「鏡花はほんとに宮都のことがすきなのね」
と言って微笑ましそうに言う。
母の言ったことを聞きながら僕は鏡花と約束した頭を1時間撫でることを始める。
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