人物紹介: ナートラ・E
ナートラはサムライエルフです。
身長は174cm。
エルフらしい高い身長と長い耳、切長で翡翠色の瞳。髪もまた金色の……とはいかず、エルフにしては珍しい艶やかな黒色で、長い睫毛も鴉の濡れ羽のようです。
そのキリッとした容貌が、ゆったりとしたエキゾチックな朱色の装束と合わさって見た目以上に油断ならぬものを感じさせるようにも思えますし、腰に吊った得物はもちろん──
──そう、杖です。
えぇ、杖なのです。確かに遠目に見れば片刃の剣ですし、近くで見てもそれらしくはあるのですが、剣の握りに見えるのは石突の飾りでしかなく、そこそこ擦り切れて装飾が擦り切れています。
布が巻かれた切先の方も、中身は魔力を込めるための結晶……つまり〈魔法の発動体〉にすぎません。
そして、彼女の本業は
といっても、まだまだ未熟な卵なのですが……。
その戦士っぽい魔術師の卵である彼女は、事あるごとに『自身はサムライである』と主張しています。
自分が何者であるかを主張するのはいいのですが、アルフレイム大陸の人々からすると聞き馴れぬ言葉なので、大半は首を傾げるばかりです。
それもそのはず。現代のアルフレイム大陸、それどころかこのラクシアという世界において、『サムライ』について知っている者はほんのひと握り。
かの魔動機文明アル・メナスの、それも専門の分野に詳しい者だけなのです。
では、なぜ彼女はその『サムライ』を自称しているのでしょうか?
その疑問に答えるにはまず、彼女の生まれから語る必要があります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます