第13話
「ふ、不束者ですが…よ、よろしくお願いします……」
予想の斜め上をさらに一段階超越する様な、あまりの衝撃に俺は言葉を失った。
「不束者ですがよろしくお願いします。」
これは基本的に男性がプロポーズをした際、女性がそれを了承する時の返し方では無かっただろうか?
本当に義妹はそれを理解して言ってるのか?
それとも余りの天然さ故に、たまたまそういった返答をしたのか?
それを確かめようと思ったのだが、ここで
「それってプロポーズをオッケーする時の返し方じゃない?」
などと聞いて違った場合、法律では例えOKされてはいても義妹に手を出す変態と思われかねない。
さて、どうしたものか……。
目の前の義妹に目を移すと、まるで照れているかのように頬はほんのりと紅く染まり、身体をモジモジと揺らしている。
普通だったら照れてる!と勘違いをするかもしれない。
しかし何度も言うが、俺の顔面偏差値は30なのである。
まさか俗に言うB専ってやつ?
いやまさかな……。
そんな時普通に俺は思いついてしまった。
質問するのではなく、じゃあこれから"兄妹"としてよろしく、という風に伝えれば良いのではないか?
これなら俺が変態のレッテルを貼られることも無く、無いとは思うが万が一に義妹が勘違いしていた場合には訂正も出来る。
あまりの妙案に内心ほくそ笑む。
「じゃあ改めて、今後はゆっくりで良いから本当の"兄妹"になろう。俺もしっかり認めてもらえる様に、兄として頑張ってみるから」
よし完璧だ。
やっぱりクサい台詞を言っている自覚はあるが、これは本心でもある。
しっかり認めてもらえるための努力は元よりするつもりだった。
さて、義妹さんの反応はどうかな〜?
そしてチラッと見てみると、今まではほんのりと染まっていた頬が、今ではもう爆発するのではないかというほど真っ赤に染まっていた。
「べ、別にっ!プロポーズされたなんて勘違い、しっ、してないしっ!!!」
え???
これってまさか本当に勘違いしてたやつ??
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