第7話
自己紹介のあとはゆっくりお茶とお菓子を摘みながら4人でしばらく雑談をしていた。
基本的に父さんと春乃さんが会話をし、俺と夏帆さんに時々話題を振る感じだ。
嫌われているようだが、表立って嫌いという態度は取られていない。
まぁせっかく親が再婚したのに、それを歓迎しない限りはそんな態度を隠すのは当たり前でもある。
とはいえ、やはり頑なにこちらを見ようとしないあたりこれは間違いないだろう。
ショックではあるが、どちらかというと彼女は被害者側であるのは間違いない事実である。
彼女からしたらもしかしたら親の再婚は望んでいなかったかもしれない。
その上新しく兄になった男の顔面偏差値が30などとどんな罰ゲームだよ、という話である。
これからはこの義妹と同じ高校に通うことになるのだ。
あまり恥をかかせないようにするためにも、少しでも見た目を改善するための勉強をすることを決意した。
雑談がひと段落着いたところで、夜ごはんの時間までの2時間ほど、サッカーの練習をすることにした。
さっきの雑談の中で春乃さんから近くに広めの公園があるとは聞いたのだ。
現状もっとも自分の中で熱中している趣味でもあり、転校してもサッカー部に入るつもりなので練習は欠かすことが出来ない。
俺は2階の与えられた自分の部屋に行き、積み上げられた段ボールからサッカー用品や運動着などが入った段ボールを探し出す。
部屋の片付けもしないとなぁなどと思いつつも手早く着替え、タオルとボールなどの必要な物をまとめ、
「いってきまーす」
急いで公園へと向かった。
そして慎二が家を出て少し経った頃、彼が出発したのをしっかり確認した義妹が彼の部屋へと忍び込んでいた。
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