第4話
え……??妹……??
しかも同い年!?
ちょっと待て、これは一体どこの義妹ヒロイン系ラブコメだよって話である。
まずは驚愕。
両親の再婚というかなりデカい情報を俺の脳は処理したばかりである。
そこにこんな爆弾落とされたらたまったものではない。
エラー落ちするに決まってるだろこんなの……。
ゆっくりと脳内CPUを再起動させ、今一度考え直す。
しかし重大なことを思い出した。
「(あっ、俺の顔面偏差値30だったわ)」
そう、ラブコメの主人公は基本イケメンである。
主人公がイケメンでない系の作品もあるが、そういった場合でも平均程度の顔は誰でも持っているのだ。
最低限の容姿にも満たない俺がそんなラブコメ主人公ルートに乗るはずがない。
しかし考えてみるといずれ義妹になるであろう子には苦痛だろう。
義兄が顔面偏差値30で喜ぶ人などいない。
そう考えるとなんて可哀想なんだろう。
ごめん、とまだ見たことない義妹に心の中で謝った。
そして時は経ち、今日は引っ越しの日である。荷物の大半は引っ越し業者のトラックの荷台の中であり、父の運転している車の中の荷物は少ない。
「慎二、もう少しで着くぞ。あと、改めて父さんの再婚を許してくれてありがとな」
「おう」
俺は緊張と照れ臭さからぶっきらぼうに返事をする。
あと少しで新たな母と妹と顔を合わせることになる。
窓の外を眺めながら、俺はこれから待つのが幸せな未来であることを願った。
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