書籍化記念SS アルトヴェールの暮らし


※三人称視点

 今回は世界観を広げるための設定資料のような短編です。





 アルトヴェールにはたくさんの人間が暮らしている。

 ロインが選抜した兵士たちは、みな専用の防具や武器を与えられている。

 どれもロインのレアドロップアイテムから制作した武具だ。

 それらはみな同じ性能になるように、きちんとそろえられている。

 複数人の戦闘では、誰か一人が尖った性能の武器を持つよりも、全体で規格を統一したほうがより効率的なのだ。

 彼らの武器や防具はドレッドとレドットによって制作されたものだ。


 他にも、ロインがみんなに分け与えたものはたくさんある。

 規格が統一された兵士団の装備とはうってかわって、冒険者ギルドには、さまざまな種類の装備が置いてある。

 中には誰も使いこなせないような、一風変わった、尖った性能のものもたくさんあった。

 あまったレアアイテムをかたっぱしから貸し出しているのだ。

 これもロインが、冒険者たちにチャンスを与えたかったからだ。

 装備を手に入れられずに苦労したロインだからこそ、みんなが活躍できるギルドを目指した。


 そしてそれは、実際に成功していた。

 アルトヴェールの冒険者たちはみなかなりの成果をあげていた。

 おかげで、アルトヴェール周辺の魔物たちは狩りつくされ、人々は平和な暮らしを送っている。

 冒険者たちは収入も安定していて、みな精鋭ぞろいだ。

 だからといって彼らの仕事がなくなるというわけではないかった。

 今やアルトヴェールの冒険者ギルドには、世界中から数々の依頼が舞い込んできている。


 本来冒険者ギルドというのは、それぞれの街ごとに設置されており、近くの出来事にしか干渉しない。

 だが、アルトヴェールの場合はロインによりもたらされた、無数の転移石のおかげで、世界中に冒険者を派遣することができるのだ。

 そのため、今では世界中のクエストをアルトヴェールの冒険者ギルドで受けることができる。

 そのおかげもあってか、アルトヴェールの冒険者ギルドは今や世界一の規模を誇る。

 もちろん、他のギルドの仕事を奪うようなことにはなっていない。


 他のギルドでは、地元冒険者によって、通常の依頼が通常通りこなされているのである。

 あくまでアルトヴェールの派遣冒険者たちがこなすのは、彼ら向けに専用で依頼された案件のみだ。

 というのも、ロインによるレアドロ武具を装備した彼らにとっては、普通の依頼など生ぬるすぎるからである。

 よって競合するようなことはなく、これはこれでうまく回っていた。

 アルトヴェールの冒険者たちがこなすのは、上位種のモンスターやドラゴン、フェンリルといった危険なクエストだけだ。


 そうすることで、今まで危険を冒していたようなクエストも、なんなく処理できるようになった。

 冒険者ギルド統括のお偉方も、ロインの貢献には感謝をしている。

 もちろん地元冒険者の中にも、難しいクエストを受けたいという者もいる。

 そういった連中はこぞってアルトヴェールへと移住してきたのである。

 アルトヴェールでは強力な装備が支給され、より高みを目指せるということで、猛者ほど集まってきた。

 そうやって猛者が猛者を呼び、今では世界最強のギルドとなったのである。





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