第160話 聖者の遺灰
ゾンビ兵を倒していくうちに、俺はあることに気が付いた。
「あれ……? こいつら毎回ドロップしてる……?」
そう、通常なら、一体の敵から手に入るドロップアイテムは一つだ。
しかし、ゾンビ軍団は生き死にを繰り返すたびに、新たにレアドロを落としているようなのだった。
次第に、地面にどんどんレアドロが溜まっていく。
「そうか……! これならなんとかなるかも……!」
俺もまさかこんなにレアドロが繰り返し落ちるとは思ってもみなかった。
おそらくそれは相手も同じだろう。
とんだ誤算だったな。
これは俺にとって、唯一の勝機となるだろう……!
「よし、これは使えそうだ!」
俺は落ちているレアドロを拾っては使い、拾っては使い……。
無限に落ちてくるレアドロをその場で調達しては戦いに活かしていくことにした。
《エリクサー》
レア度 ★エピック
ドロップ率 ごく微小
説明 どんな傷も一瞬で回復。
「よし……! これで魔力も体力も整った!」
どうやら人間は人それぞれで別のレアドロップアイテムが設定されているらしい。
おそらく魂などのタイプに由来するのだろうか?
アレスターからは勇者の指輪が出てきたくらいだしな……。
ゾンビ軍団5万人からは、ほぼ5万種類のレアドロップアイテムが手に入るということだ!
しかも最初に兵士たちを倒したときのドロップアイテムは大したことなかったが、ゾンビたちからはとてつもないレアドロップアイテムが手に入る。
おそらく付与術によって強化されて、レアドロップアイテムも質が上がっているのだろう。
だが、お目当てのドロップアイテムを見つけるのにも一苦労だ。
俺はとりあえず、目についた中で使えそうなものを拾い、使っていく。
《星の聖槍》
レア度 ★エピック
説明 一振るいですべてを貫く。使い切りアイテム。
「うおおおおおおおおお! これでも喰らえええええ!!!!」
――ズドーン!!!!
俺がその星の聖槍というアイテムを投げると、なんと槍は一直線に並んだゾンビをまるごと貫いた。
槍の進行方向のゾンビがすべて串刺しになる。
その不思議な槍は目の前の敵を串刺しにできるまで伸びたあと、光になって消え去った。
同時に、ゾンビたちから大量のドロップアイテムが落下する。
――じゃらららららららら!!!!
「おおおおおお! すげええ!!!!」
こんなに一度にドロップアイテムが落ちるのは何度見ても爽快だ。
「よし、これだけドロップアイテムの種類があるんだ……きっと
そう、俺はさっきから、あるアイテムを探していた。
まだ一度しか見たことのないレアアイテムだが、これだけあればきっと見つかるはずだ。
一度倉庫にとりに返る手もあったが、戦場を離れるわけにもいかない。
「アンデット特攻のあるあのアイテムさえあれば……!」
だが、なかなかゾンビたちと戦いながら、大量のドロップアイテムを選別することは難しい。
俺は必死にゾンビをかき分けて、そのアイテムを探す。
「くそ、ゾンビだらけでアイテムが見えん! こうなりゃ、一度全部倒すしかねえ! うおおおおおおおお!!!!」
――ズドーン!!!!
俺はすべての魔力を解き放ち、特大の大魔法を放つ!!!!
「
――シャアアアアアアア!!!!
とてつもない威力の攻撃で、一度ゾンビたちをすべて葬り去った。
だが、やつらはすぐに復活してくる。
今のうちにあのアイテムを探さないと!
とりあえず、もう一度エリクサーを飲んで魔力を回復だ。
それから、浮遊魔法で上空から例のアイテムを探す。
「あった……!」
《聖者の遺灰》
レア度 ★エピック
説明 死者を無に還すことのできるアイテム。
アンデット特攻+500%
「これなら勝てる……!」
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