第68話 かしましい裸の付き合い。
そこにウルクン、グレイ、クマキチも来て仲良く入ると3匹も嬉しそうに喉を鳴らす。
ミチトは3匹の横に行って「君達もありがとう。今日はすごく助かったよ」と言いながら身体を撫でると3匹は嬉しそうに喉を鳴らす。
シヤ達が追いかけてきて「マスター、マスターは動物とも話が出来るの?」と聞きながら3匹を撫でる。
「うん。なんとなくだけどね」
「マスターはやっぱり凄いんだね」
このやり取りを聞いていたイブが「もう!イブも入ります!」と言い出す。
「皆楽しそうでズルイです。リナさん達も椅子を持って来るか…。マスター、岩で作った椅子を端に作ってください!」
ミチトはその提案を「あ、それいいね」と言って岩で椅子を作る間にイブはタオルを巻いて出てくる。
トウテの中で1番大きな胸が目立つ。
これにはさすがのシヤも頬を赤くして目のやり場に困ってしまう。
そこにシーシーもやってきてヤキモチと言わん勢いでシヤの頬をつねる。
「シーシー?痛い」
「シヤが変な顔をしてるから」
ほほを摩りながら「変?」と聞くと「イブさん見て顔を赤くしてるからつねったの」とシーシーが言う。
自覚もあるのでシヤは「…そ…それは…」と言うと見ていたライブが「見ちゃうんだシヤ?でもアクィは見ないでしょ?」と聞く。
そのライブですらシヤには破壊力があり過ぎて顔を赤くして目を背けて「いや…アクィさんとリナさんはマスターの奥さんだから…」と誤魔化す。
椅子に腰掛けるリナが「ライブ、からかい過ぎだよ。アクィがもうアップルパイ作ってくれなくなるよ?」と注意すると「それはやだよ!アクィ!ごめん!」と素直に謝るライブに「仏の顔も三度までよ?もう向こうでもやったし今もやったから次は無いわよ」と言うアクィ。
ここにローサ達がやってくる。
ローサは1人で浴槽までやってきて「入っていい?」と聞く。
ミチトは「どうぞ」と言いながら「タオルを巻けばこっちも可能ですが気乗りしなければ岩の反対側も入れますよ。後は平民と狼と熊と混浴で良ければですかね?」と笑うとローサも「私は家族とはお風呂に入るわよ」と言ってタオルを巻くとニコニコと皆と同じ方に来る。
そして脱衣所の方を見て「ロウアン、ロキ、ヨシ?」と不満げに未だに脱衣所にも行こうとしない3人の名前を呼ぶ。
3人は着衣のまま風呂場に来て思い思いの言葉を言う。
「…ローサ、我々が居ては皆が気を使うのではないか?」
「母上…もう少し気を使うべきです」
「しかもマテまで呼んで…」
実際来たのは3人ではなく、そこにはリナの妹のマテもいる事にリナが気付いて「マテ?アンタお呼ばれしたの?」と言う。
ここでフラとライが「リナさん?マテさん?」と聞く。
「うん、私の妹でロキ様の彼女。行く行くはロキ様と王都に住むから仲良くしてくれるかな?」
「わかりました!フラです!」
「ライです!」
この挨拶に「マテです。よろしくね」と言ったマテも恥ずかしいけどと言いながらタオル姿になると浴槽に入っていく。
ここにロウアンにロキやヨシも頭を抱えながら服を脱ぐと浴槽に入ってくる。
「ほらほら、皆も入りなさい」
この声でトウテに住むことを選んでいた他の術人間達も皆タオル姿で入ってくる。
中には恥じらいの足りない少女がタオルを使わないで浴槽に入ってきてミチトがオヤジミチトになって「タオル使わないとダメだよ」と止めに入る。
「ほら、いらっしゃい」
ローサがそう言うと風呂場に来たのはウシローノ達で皆服を着て恥ずかしそうにしている。
浴槽の中からローサが「あら?何で服を着てるんです?」と言うと困った顔のウシローノが「ローサ様、我々はそんな…」と言う。
正直見ていて可哀想になってくる。
「平民達とは入れないと?」と言うとイシホが「そう言うのではなくて混浴と言うのが…」と言って真っ赤になりながら少年達を見ないように目線を外している。
イイーヨとイイダーロに至っては脱衣所の出口に門番のように仁王立ちをしている。
「俺たちはここで見張りをします」
「皆様はご安心してお入りください」
この言葉に驚いたのはライブで「へぇ、イイーヨなんて笑顔でイブの横に来たがるかと思ったのに真面目だね」と言うとイイーヨは真っ赤になって「俺は紳士です。そのような真似はしません」と言った。
想定外の回答に「あれ?前にイブの下着姿にありがとうございますって言ってたよね?」とライブが言うとイブも「今朝もイブに抱きついて寝るかって聞いてましたよね?」と質問をする。
イイーヨは顔を見て話そうとするのだが湯船に浸かっている状況に気付くと更に真っ赤になって「そ…それは…照れ隠しです!」と言って天を見た。
「へぇ、イイダーロも?」
「当然です。今はライブさんのお顔も見れません!」
ライブは嬉しそうに「アンタ達って軽そうなフリをしてて真面目なんだ」と関心すると「じゃあ入んなよ」と言った。
「え?」
「ライブさん?」
「お風呂入るくらいの仲で仲良くしようよ。お風呂できた記念でさ」
この言葉に横で岩に腰掛けるリナが「そうね。ミチトも居るから間違いは起きないわね」と言う。
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