第71話 イケメンお姉様

 穴掘り魔法超有能!

 100体近い死体もホラね!

 さっきまでの虐殺現場はほとんど元通り!


 おかげで魔力が底を尽きそう……



 白光教団が穴に死体を放り込みマリアンヌが聖句を唱える。

 背信行為があったとしても、元は同じ教えの同胞に対して思う所もあるのかもしれない。


 最初の警告に従って伏せた二人の若者は武装を解除され白光騎士団に監視されていた。


 コイツらの所属する組織は聖教の中でも貴族や特権階級の者達に支持されているクンニ派……と呼ばれている一団らしい。

 異端審問官は神聖教国の教皇庁の直轄であったがこの地の大司教とズブズブの関係だったらしい。

 捕虜の二人とも貴族の子弟らしいが家督の継承の目が無く、箔と経験を積みまた人脈作りの為に僧籍に身を置いていたのだろうと、チクぺディアのマリアンヌが言っていた。

 伊達にチクポチ聖女してない。


 穴を埋めて休憩中の俺にアイリーンが肩に手を置くと背中を優しく包むように抱き一言

「 お前、余り無茶はするなよ。私が側にいる事を忘れるな」

 イケメンかよ!惚れてしまいそう!

 あっ、既に惚れてたわ。

 コイツになら掘られてもいいかも!


 流石に殺し過ぎて精神的にまいってるとでも思ったのか、単に魔力枯渇を労ってくれているのかは分からないが支えてくれる人間が側にいてくれるというのはありがたいものだ。

 歳を重ねるとそう思えてくるのだ。


「心配するな、俺なら大丈夫だ。ヤバそうならすぐお前に頼ろうと常日頃から思ってるからな」と正直に言うが、「フン」と鼻で笑い「お前がそんな玉か。しかし、お前の後ろには私がいるという事は忘れてくれるなよ」と余り信用してはくれなかった。


 一々イケメンのアイリーンに、そのまま後ろから掘られても受け入れそうになるから困る。



「……お待たせ致しました、使徒様。我々の準備は終わりました。いつでも出発できます」

 魔力回復中でアイリーンのオッパイを背中で堪能していた俺にマリアンヌが躊躇いがちに報告に来た。


「了解した。そろそろ街に行こうか。この世界の都市を見るのが楽しみだ」


 相変わらずの魔力回復速度だ。

 背中のオッパイのせいでいつもの二割り増しで早く回復してくれた。ような気がしないでもない……


 早漏の方が回復が早く何回も出来ると聞いた事があるけどそれと似たようなもんなのか?

 それとも隠しスキル的な俺の特性的なものなのかはいまだによくわからない。

 特にデメリットもないので気にしてないが。



「マルコスさん、皆んなも迷惑かけてすまないな。日が暮れる前に出発しようか」


 商隊はブリスクを目指して出発した。


 マリアンヌはアイリーンと意外と楽しそうに話していたので胴間声を上げた白騎士に話しかけた。


「やぁ、さっきはどうも。悪いね大した説明もなくあれこれ働かせちゃって。お宅がこの集団の隊長かな?」


 筋肉太りの身体にチェインメイルを張り付かせ、その上を白のローブのような物で覆っている。

 要所を鉄板で補強しているようで、見た目より防御力は高そうだ。

 少なくとも俺の革鎧なんかよりは。


 ブォン。と、戦棍を音を鳴らしながら騎乗の敬礼らしき動作を見せる。

「南部・白光教団が所属!南部・白光騎士団長のブロリーであります!使徒様!」


 固い、固いよ……

 ギョロ目に角ばった顔に薄くなった頭頂部、見ようによっては愛嬌のある顔と言えなくもない。


「俺は仰々しいのは好まない。普通に接してもらって結構だ。それで、件の大司教の事なんだが……白光教団の見解を聞きたいと思ってな。ブリスクにいるんだろ?」


「そうですな、奴等クンニ派は貴族街の教会を拠点にしております故。我々白光教団は民の支持が多いのが強みではありますがクンニ派の大司教ともなると中々に直接抗議するのも難しいでしょうな。使徒様が直接"抗議"するとなれば我々も御助力いたしますが?」

 コイツらだけでは難しいが使徒の俺が一緒なら着いて行って"抗議"してくれるらしい。


 向こうは俺の身柄を確保して戻ってくるのを待ってるんだろうな。



 宗教に疎い俺だけで乗り込むより、コイツらを引き連れて行った方がいいかもしれん。

 特にこの男は面白そうだし、いっちょ"抗議"とやらに連れて行ってやるか。


「俺は仕事があるから今日には無理だが、明日明後日には一緒に大司教の所に"挨拶"と"抗議"に行こうじゃないか」

 ニヤリと笑いかけると、ギョロ目を更に大きくして酷い笑顔を返してきた。

「使徒様の御意のままに!しかし、先程の魔法は中々に凶悪でありましたなぁ。使徒様はコチラに来るまでは軍人か何かで?」


「そうだ、国の防衛組織にいた。軍ではなかったから役人という扱いではあったがな」


「なるほど。コチラの世界に来て大変なご苦労があったのではないかと思っていたのですが、中々どうして随分馴染んでおられるようでしたので」


 あぁ、コイツら俺達が力を身につける手段も知ってるんだなと思った。



 俺には戦闘に対して最初からアドバンテージがあった。

 戦闘に対する最初の壁など所詮は慣れだ。

 勿論向こうで殺しなんかはしていなかったが、その訓練は嫌と言うほどやって来た。

 人間相手に暴力を振るうのに何の躊躇いもなくなるくらいには。


 未だに本体の反応が無いのも、安全マージンを確保したりヤツらの身を案じての事だろうとは思っている。

 とっととゴブリンの2、3匹でも強制的に殺させれば良いものを……ダラダラと訓練してるのだろう。


 拒絶感など、どうせ最初だけだ。

 アイツらは他人に身柄を預けたり、心的外傷を考慮できる程の余裕があるのだろうか?


 俺はコチラの世界を信用していない。

 信用できる人物を見極めるのは中々難しい。

 自分の身は自分で守るのが一番安心できる。


 利用される側に立つかする側に立つか、結局は自分のあり様で決まるのだ。


 保護などという名目で身柄を拘束しようとする奴ばかりとは言わんが、余り長く管理下に置かれるのはよろしくない。

 管理する側の"憂慮"もあるのかもしれんが。


 なんて思いながらも、ブロリー団長とコチラの世界の戦闘技術や戦術論の話で盛り上がった。



「それでは我々は先に街に戻ります!審問官と捕虜の身柄はお任せ下さい!使徒様、お姉様、失礼します!」

 同行して街に入ると使徒が商隊の中にいる事が大司教側の人間にバレるので、白光教団は先行して街に入る事になった。


「しかし、お姉様ってのはお前の事か?」

 アイリーンに問いかけるが

「ふふ、そうだ」と珍しく楽しそうにしてたが、それ以上の説明はなかった。


 アイリーンはイケメンパワーであの巨乳聖女をたらしこんだのだろうか?


 アリよりのアリだな!




 ————————

 進捗悪いですが連投という事で勘弁願いたい。


 今回はちょっとした補足回みたいになりました。


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 私は皆さんの応援感謝しながら電動オナホの説明書読んでます!


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