第61話 平穏な旅
「全然期待なんかしてないんだから!本当なんだからね!」
コマンド、ステータス!
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ブラックホーク・珍太郎
レベル:10
職業:まほうつかい
力:25
魔:13
体:18
速:18
技:17
魔法・スキル
バレット改、生活魔法、身体強化Ⅱ
格闘術Ⅲ、短剣術Ⅱ、new短槍術Ⅰ、射撃Ⅱ、隠密Ⅱ、察知Ⅱ、魔力操作Ⅱ、狙撃Ⅱ、魔力感知Ⅰ
称号
異世界人、使徒、魔弾の使い手(※魔弾の威力小UP・消費魔力低下)
魔力よ……俺のツンデレがわからんのか!
なんでや、なんでなんや……
子爵の私兵達に格闘戦術を教えていたからだろう、格闘術が伸びていた。
対武器戦の訓練に使用していた短槍も、昔銃剣道もそれなりにやっていたので短槍術としてスキルが追加されたのだろう。
私兵達を訓練期間中にしこたまブチのめしたが、レベルは上がらずスキルは伸びた。
レベルは殺さないと上がらないようだ。
角ウサギ狩りと今回のなんたら男爵の私兵を約20人程を殺してレベルが2上がった。
人間の経験値……
賊の迎撃報酬:1000P
商隊防衛報酬:200P
野盗討伐20人達成報酬:200P
野盗討伐30人達成報酬:300P
なんだかんだでクエスト報酬がオイシイ
評価の基準はわからんが、要は討伐すればいいって事だ。
私兵でもああいった奴らは野盗扱いなんだな……
ガチャッ
部屋のドアが開くとアイリーンが立っていた。
「起きたか?まだそんな格好してるのか、商隊の出発は昼頃になったようだぞ」
「ああ、さっきマルコスさんに聞いたよ」
「その格好で出たのか?」
俺は未だに紙パンツと紙ブラジャーのままだ。
流石のアイリーンもこの格好をクライアントに見せるのはどうかと思ったのだろう。
俺だってそう思う。
「朝飯でも食べに行くか」
露骨に話題を変えて着替える事にした。
乗馬の練習がてら騎乗して移動する事にした。
また尻天国を味わえるかもしれないしな。
俺の馬に『マンゴウ』、アイリーンの馬に『ラッシー』と名前をつける。
特に意味はないが、この軍馬の生産国は国土の半分以上が砂漠でアラブやインドを連想させた。
カレー食いてーな、あっ!マンゴーラッシー飲みてーな。と思ったからだ。
そこそこの速さ・タフな持久力と精神力・丈夫な身体・素直で勇敢な性格と軍馬として最上の馬のひとつらしい。
艶のある毛並みにつぶらな瞳がカッコカワイイぜ。
大街道は定期的に巡察隊が通り治安は比較的良い。
国の大動脈として整備・治安維持は大街道が通る土地の貴族達の義務らしい。
大街道が通る恩恵はかなりのもので、これを疎かにする領主貴族はいないのだとか。
ある程度の間隔で宿場が用意され、軍や貴族、商人達の移動や流通を円滑にしている。
夕過ぎに何とか宿場に到着し、護衛隊の一人が先行して確保していた宿に入る。
この季節ならではの脂の乗った猪の鍋料理をみんなで囲み、翌日に備え早々に寝た。
平和な大街道でクッソ暇なので、道を外れて
風を感じ、これぞ乗馬って感じだ。
「凄いね!こんな早く上達するなんて!騎馬民族の血を引いてるんじゃない?」
騎馬民族青年のチコがべた褒めだ。
若者から褒められ照れるオジサンの図
ふと風にのって漂ってくる美味そうな匂いに遠くを見やると、休憩中らしき一団から炊煙が上がっていた。
昼飯時かとチコとアイリーンを連れてそのうち来るだろう商隊を開けた炊煙の上がっている休憩地点で待つ事にした。
美味そうな匂いに腹を鳴らしながら近づき、一応のマナーとして休憩地点を共有させてもらう事を伝える。
挨拶を済ますと1人の男が話しかけてきた。
「あんたら、冒険者か?どうだウチで作ったベーコンだ。食べてみろ」と、鉄鍋で焼いた分厚く切ったベーコンを持ってきた。
「これの匂いか!美味そうな匂いに釣られて来たんだ」と言うと男は笑った。
「俺はブリスクで肉の加工や販売をしてるんだ。気に入ったら買いに来てくれよ」
お言葉に甘えてゴロっと一口大に切ったベーコンを口に入れると、しっかりとした硬めで塩気と香りが強く、脂はブリッと弾力があり甘味と旨味が噛むほどに出てくる。
「これは美味い!ブリスクに行ったら絶対に買いに行くよ!なんて店だ?」
気を良くした男は店の名前と一塊のベーコンをくれた。
お礼にワインを一本渡しておく。
早速貰ったベーコンを焼いてつまみながら商隊を待った。
昼の大休止の準備は土操作で竈を作り鍋を置いて薪に火を着けて完了。
生活魔法とアイテムボックスという便利チートのおかげで、ものの数分で本格的な野営準備が可能だ。
宿場町で猪の肉を買っていたので、豚汁をつくる。
肉と根菜に火を通し鍋にお湯を入れ顆粒出汁と芋・生姜を入れてのんびり灰汁を取る。
でかい鍋で作る豚汁は最高に美味そうだ。
おにぎりがあれば言う事無しなのだが、商隊の人数分をポイントで購入するとなるとちょっとね。
商隊が休憩地点に入って来たので、味噌を投入して出来上がりだ。
商隊に豚汁を振る舞い、自分もパンと豚汁で昼飯とした。
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