第39話 男の本懐

部屋の物をあらかたアイテムボックスに入れると話し声に気づき慌ててMAPを確認する。

黄色の点が広間入り口に6個、牢の前に2個、洞穴の入り口に4個あるのを確認した。

お宝漁りに集中し過ぎたか!


小部屋を出ると冒険者らしき6人が驚いて武器を構えた。

「お宅らどちらさん?獲物の横取りとセールスは断りなんだが?」と両手の人差し指を向けた。

「俺達は冒険者だ!ギルドに雇われてここに来た!敵ではない!」と、リーダーと思しき男が告げてきた。

「よくここが分かったな?どうやって追跡してきた?魔法か?魔道具か?スキルか?ん?」

敵ではなくても味方である保証もないし、MAP機能なんて普通は持ってないはず。

俺自身を追跡してここを突き止めたはずだ、その方法は知っておきたい。

場合によってはこの世からバイバイしてもらおうかなと思っていたら。

「ギルドカードの魔力をたどって来た。みんな武器を下ろせ。…お前もだ、手を下ろしてくれ。」

と、アイリーンが広間に出てきた。

今日も相変わらずエロエロしい。

もうアイリーンはMAPに個別登録しちゃいたい!

と思ったら、MAPさん直ぐ対応してくれた。

神対応にひたすら感心してると、

「朝からお前がきて野盗の情報の前でニヤ…興味がありそうに出て行ったと報告を受けてな。大事な案件の一応重要な役割を担う者が一人で野盗討伐に向かった可能性があったのでギルドカードの追跡を許可してもらい魔道具を使用した。」

そんな余計な事出来んのかよ。浮気調査でGPSとか使われる並に怖い。

どうせなら電子マネーみたいな機能つけろよ。ラノベ鉄板機能だぞ!

「ギルド契約の時に話したはずだが?犯罪を犯したまたは被害を受けて身元の捜索などに使用すると。

反応が途中で消えて慌てて来てみたらこれだ」

勿論、契約の話しなんかちゃんと聞かずにしっかりと目で犯してた。俺はラノベでギルドには詳しいから大丈夫。いざとなったらコマンドの説明読むわ。

こんなエロ美人を前にどうでもいい話しなんかスルー一択、目で犯し、脳裏に焼き付けるのだ。忙しいのだ。


「…そう言えば、そんな事も言ってたな…」(嘘)

あぁ美人に嘘をつくと良心が痛むわー

でも、視姦してましたとは言えないしな


アイリーンは軽くため息を吐くと

「ギルドカードはどうした?」と俺を視姦する。

もちろん視姦されたのはただの願望だけど、頭から足のつま先を舐めるように見ていた。

「あぁ、アイテムボックスの中だな。装備変えた時に一緒にしまったんだ」

洞穴の手前で黒の戦闘服一式に装備変更したんだが、装備登録した時はギルドカードなんか持ってなかったしな。


「…そうか…」と険しい顔でそれだけ言うと、

「中の物資および盗賊討伐の報酬、賞金首の褒賞金はお前の物だ、人質の身柄は所属領主に所有権がある。人質救出の報酬は身柄次第では出るが期待はするな」と切り替えた。


金と装飾品を少し。武器は片目のギルが持っていた手斧だけ。あとは高級そうな酒と、未開封の木箱に入ったワインを2ケースだけ。盗賊の持ってた食糧なんかちょっとパスだわ。

こう見えてナイーブなのだ。

オッサンになると口にする物と恋にはナイーブになるのだ。

「いただく物は頂いた。残りは任せるよ。盗賊どもの死体はどうする?首は刎ねて持って行った方がいいか?そこの縛ってある男が親分で片目のギルという男らしい。」

周りの冒険者達はざわめくがアイリーンは

「外に町の衛兵がいる。彼らに任せよう」

そう言って洞穴から出ていき俺はギルを肩に担いでそれに続いた。

アイリーンは衛兵に状況を報告すると二人の衛兵は洞穴の検分、一人は三人の人質に、最後の一人は縛られた片目のギルを引き取りに俺の所にきた。

「よくやってくれた。漸くだ。コイツにはさんざん苦汁を飲まされたんだ。」

いい笑顔で今度はコッチの番だと言った。

分隊長らしい鍛えられた体の下士官だ。


「町に帰ったらギルドに連絡する。討伐報酬は直ぐに渡せるがコイツの褒賞金は少し待ってもらう。領主様に報告後になるからな。そのかわり一杯奢らせてくれ」と言うと着付け薬で片目のギルを覚醒させると新たに首と腕に枷を嵌め轡をすると

「楽に死ねると思うなよ…」と呟いていた。


コイツとなら美味い酒飲めるかも


洞穴には冒険者6人が残り明日くる衛兵隊に引き継ぐらしい。中はどうせ死体といくらかの装備品、食い物しかない。

森の入り口に馬車が三台あり。衛兵隊の二台で片目のギルと先ほどの分隊長以下2名、人質3人と衛兵6名が分乗して町に戻っていった。


「帰る前にちょっといいか?」とアイリーンが声をかけてきた。

「いくらでも好きにしていいぞ。」と答えたが変な顔されて、「町に戻ったら二人だけで話したい」と言いながら手に紙切れを握らされた。 


危うくおっきくなっちゃうところだった。

近くで見ても綺麗な顔だった。

褐色の肌は滑るような肌理細かさだ。

匂いもすごくいい。

その胸に、太ももに顔を埋めて死にたい。本望だ!

それこそが男の本懐である!


ちょっとだけ手汗がキモがられてないか心配だ。


アイリーンにずっと付いてきてた魔法使い風の女がじっとこちらを睨んでいた

小さく頷き「分かった」と答え馬車に乗った。


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