第40話 ♂のポテンシャル

若い子に楽しんでもらえたらと、めっちゃ休暇でワクワクの恋の歌を披露した。


ガタガタと響く馬車の荷台に一層冷たくなった空気が流れる。


ダメか…やっぱり、つ○く♂じゃなくて秋○かぁ…


チョイスをミスったらしい。

魔法使い風少女は怪訝な顔をしたままだ。

割と本気めの振り付きで披露したア○ヤはお気に召さなかったらしい。


「なぁアイリーン、ちょっとき「貴方!アイリーン様を呼び捨てにして何様のつもりよ!」…えぇ…」

面倒なヤツだ。気を遣ってアヤ○まで披露してやったのに何様はお前の方だ!それならお前がやってみろと言いたい。48とか46とか披露してみろと。


俺は大人だから言わないがな。


「なかなか興味深い歌舞だった。それで、なんだ?」


「この魔法少女はお前の部下か何かか?」


「お、お、おま、おまえって」

魔法使い風少女はワナワナと震えてる


「一応弟子だな。教え子と言った方がいいな。実際の現場を見せてやろうと思ってな。」


「そりゃあ…難儀だな。もっとまともな教え子はいなかったのか?野良犬だってもっと可愛げがあるぞ?」


ぶち切れ魔法使い風少女は喚き散らして掴みかかってこようとしたが、アイリーンにローブの首根っこを掴まれて「グエッ!」と少女にあるまじき呻きと顔を晒していた。


「性格に難はあるが、風魔術の腕は確かだ。経験を積めば相当な魔道士に、ゆくゆくは魔導士までいくかもしれんな。」


そこら辺はたいして興味ないので「へー」とだけ返しておいた。


「アンタみたいなヘボ魔法使いなんか足下にも及ばない大魔導師に私はなるんだから!」


「そうか、頑張れよ」

その前に性格をどうにかした方がいいなと思ったが言わない。いつか痛い目にあえばその内わかる。


「それで、今日の現場の話なんだが…」

ムキーーーー!となってる魔法少女を見て、

「コレット。今日、私はお前に必要な時以外は口を開くなと言ったな。忘れたか?」

「ア、アイリーン様…申し訳ございません…」

青ざめるコレットちゃん

「二度目はない。…すまないな、今日の現場はこの子にとっては初めて人間同士が殺し合った現場だったのだ。感情がまだうまくコントロールできないのだろう。弟子の非礼は詫びる、この通り。」

と、アイリーンは頭を下げた。


コレットちゃんローブの膝辺りをギュッと掴んで、今にも泣きそうな顔をしている。


「頭を上げてくれ、若さゆえの事だ。気にしてないさ。」


嘘だけど!器の小さい男と思われたくないからな!


「あの戦闘跡は…まぁ、いい経験にはなった。礼を言う。」

アイリーンは何か言い淀んでいるようだったが流しておく事にした。



「それと、あの歌舞には続きがあるのか?」

「「えっ?!」」

よもやアイリーンがアヤ○に食い付いた事に驚いた俺とコレット。


「…あぁ…また今度、披露しよう…」と言うと、「楽しみだ」と満足そうに頷いていた。

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