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 Someone forced an unwilling thing on you. You'll die for your pride.

 Now, I'm going to cut off your head, because it happened.


(誰かに意に添わぬ事を強いられたら、あなたはプライドの為に死ぬでしょう)

(今こそ、それが起きたから、私はあなたの首を斬り落とす)



   †††


 ここからは、彼と私、二人だけの愛しい秘密――

 一生、誰にも明かさない。

 頸動脈を切る為にナイフを首に当てた瞬間、祐樹くんは薄く目を開けて言った。

「そうか、蛍が俺を殺すのか。それなら悪くないな」

「どうして……」

 祐樹くんは昔のように、出会った頃の少年のように、淡く微笑んだ。

 全身全霊が甘美な喜びに打ち震えた。

 私は理解した。こう成るよう、すべてを仕向けたのは小日向祐樹だったのだ。

 彼はずっと死にたかったのだ。

 だから、私を使役して、自殺した――

 初めて出会ったあの日から、長い長い時間をかけて、彼が、私をここへ導いた。


   †††



Let's talk some secret stories with a close friend in a closed room at a close distance.


(親しい友と、閉じた部屋で、近い距離で、幾つかの秘密の話をしましょう)


There was once a Tiger who was haughtiness.

My mother said to me, “He was killed by someone.”

Cut off the head.

Bring other to the kitchen.

Then, I was eating that, maybe.

Mother's friend stands and weeps under the tree.

She picking up it, and bury it under the cold wet soil.

Who killed Tiger?


かつて傲慢な虎がいました。

母は「彼は誰かに殺された」と言いました。

首を斬り離して。

それ以外はキッチンに運んで。

それから、たぶん、私はそれを食べていました。

母の友人は樹の下に立ち尽くし、すすり泣いていました。

彼女はそれを拾い上げ、冷たく湿った土の下に埋めました。

誰が虎を殺したの?



   †††


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