第37話 区
生まれたときから拗ねている気がする。可愛くない子供だった。周囲から十分に愛をもらって育った自覚はあるのに、そういったものを素直に享受できないまま大人になってしまった。つまり愛想がなかった。それで愛を渇望するのだからおかしな話ではある。
普通に生きている。三日ほど外を出ない日が続いているが、精神面でも肉体面でも特になんの問題もない。そのうちどこかに何かしらの不調が現れるかもしれないが、先のことを考える力がない。緩やかな怠惰に揺蕩う一瞬は幸せだった。何も考えたくなかった。
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