第20話 逸
あけましておめでとうございます。
年が変わったという実感は全くないまま、2021年はどうやら終わりを迎えたらしい。毎年そうであるように、この年号にもそのうち慣れるのだろう。
カレンダー上の節目は、季節の節目よりもずっとずっとわかりにくい。
物が多い。物が多いと情報量が多くなり、それだけでどことなく疲れるものだった。断捨離苦手という不治の病のせいで捨てきれないまま、物欲の赴くまま、部屋に置かれるものが増え続けた結果が目の前の風景なのだから決して私が文句を言える立場ではないのだった。
思い出が詰まってると尚更だった。非情になりきれないのだった。そのものに対する愛着の少しでも自分の周りの人間に向けることができたなら、と思いはするのだが結局人間はそう簡単には変われない、変わろうとして失敗し続けたのだからこればっかりはどうしようもない。不治の病は一つではないのだから。
人のことが好きになれない。否、好きな人のことを大事にできない。何年も苦しんでいることであり、諦めていることの一つでもあった。
そういうわけで断捨離ができないまま年は明けた。はろー2022。私は何一つ変わらないまま、どうやらここにいるようです。
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