第6話 山

 干からびたペットボトルの大群。

ゴミ出しの日だったのでついでにここ最近はどのような飲み物を飲んでいたかと確認してみれば1.5リットルのコーラのペットボトルが7本入っていた。飲み過ぎだ。そういえばカップのアイスすらまともに食べれなくてコーラで代わりに糖分摂取を図っていた時期もあった。甘いものが食べれないのは今も同じである。不幸だろうか。

 朝日に反射して眩く光るプラスチックの集合体を雑にゴミ捨て場に放り投げる。どれだけ輝いてもゴミはゴミだ。


 いつか全てがうまくいく。そのいつかはいつになるかはわからないけれど、人生のどこかで必ず訪れる。スーパーヒーローが助けてくれるのか、スペシャルラッキーなハプニングが起きるのか、未来は常に不確定だし、それはまだわからないけど、とにかく超すっごーいことが起きて、それで、今までの悪い部分がぜーんぶ帳消しになって幸せハッピーな人生になってくれる!やったね!


 とか。

 そう思わないと、やってけないくらい、人生に前向きになれない。


 部屋が綺麗にならない。掃除してないから。お腹が空いている。食べてないから。人との話し方を忘れてきている。誰にも会わないから。

 至極真っ当な結果で、真っ当な解決方法があるのにそれがずっとできないでいる。わかっているとできるは違う。何をこんなに苦労しているのか。なぜ体を起こせないでいるのか。頭が重い。頭が、重い。


 胃はまだ空っぽのまま。


 今日もインターネットに人生を助けられている。




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