第4話

 かき氷を食べ終え

駄菓子屋さんを出発する。


「水溜り探してくる!」


おばちゃんに2人で伝えるとおばちゃんは

またまたクスッと笑い

「気をつけていってらっしゃいね、ちーちゃんはその立派な麦わら帽子無くしちゃダメよ」


ちーちゃんの麦わら帽子は大きく、お姉さんなんだからと大人用の物を買ってもらったようだった。



次の目的地は近くにある山に決まった。

普段は距離があって行けないが今日は、君と僕なら行ける気がした。


それから大分歩いたが水溜りは僕達の前にはあらわれなかった。


「残念だったね」

僕がそう言うと


「また一緒に探してくれる?」

ちーちゃんは少し泣きそうな声で僕に言った


「お兄ちゃんになっても、おじいちゃんになっても何度でも一緒に探しにいくよ」


「うん!ゆうくんとなら楽しいもん!」


夏の日差しが川に反射してキラキラと輝く中ちーちゃんの横顔を夕焼けがオレンジ色に染めている。


僕はこの瞬間にちーちゃんに恋をした


僕がちーちゃんをこれからも守っていくんだ


子供ながらに本気でそう思った

照れ臭くなり顔が真っ赤になってるのを感じ

この気持ちを隠す為に僕も夕焼けのオレンジに染められることにした。


こうして僕とちーちゃんの初めての冒険は

かけがえのない思い出のひとつになった。


ちーちゃんと僕だけがこの世界の中で特別なように感じ

微かに口の中に残るレモンを感じながら

僕とちーちゃんは家へと向かい

夕焼けの中へ溶けていく____

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