唐太と閃音

「はぁ………なんで私はこんな奴を好きになってしまったんだろうか……」


 ん?なんか閃音から呆れられてる気がするんだが……


「あら?じゃあとっとと手を引いてもらっても結構ですよ?私とお兄ちゃんの世界には貴方は不要なので」


「嫌だね、譲る気はさらさらないよ」


「……………それは宣戦布告と受け取っても?」


「うん、構わないよ」


 な、なんか陽久留と閃音仲悪くない?


「「誰のせいだと思ってんの?」」


 え、とうとう閃音にまで思考読まれた?!って


「なんで俺のせいなの?」


「はぁ…………本当に、なんでこんな奴を好きになったんだか……」


 あれ?閃音から呆れの視線が強くなった気が………


「はぁ………鈍感なお兄ちゃんも可愛い♡」


 陽久留はまた恍惚としてるし……


「妹ちゃんは唐太ならなんでも良さそうだね……」


 そういや


「どうして閃音はここに?」


「洋服を買いに来たんだよ」


 ああ、そういや


「お前、洋服好きだもんな」


 よく中学の頃放課後に服屋連れ回されたっけなぁ


「……………………覚えててくれたんだ」


「そりゃあな、もうつきあいも長いし」


 今年で3年か………からもう3年も経ってるんだなぁ……


は大変だったなぁ……」


「……………………そうだね」


 ………まだ気にしてたのか


「もう終わったことだろ?気にすんなって」


「でも………!」


「な?」


「………………うん」


 全く………気にしすぎだっての


「なんか、お兄ちゃんと閃音先輩の世界でムカつく」


 ギュッ


「お兄ちゃんは絶対に渡さないから」


「………………大丈夫だよ、私に唐太と付き合うなんてないから」


「は?」


 2人は小声で何話してんだろ?


「さぁーて!私は行こうかな!」


「もう行くのか?別に一緒に行動しても…」


「唐太は鈍感バカ野郎だね」


 何故罵倒された?!


「そうだよお兄ちゃん、鈍感なお兄ちゃんも可愛いけど鈍感すぎるとムカつくから」


 陽久留まで?!


「じゃあね2人とも!デート楽しんで!」


「デートじゃないっての、またな」


「………………またね」


 …………………もう気にしなくていいのに、元はと言えば、












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