陽久留の想い

 陽久留視点です


 ▂▂▂▂▂▂▂


 お兄ちゃん、私になんか隠してる………

 でも、自分から私に話してくれないって事は知られたくないんだろうな……


「よし!行くか!」


「お兄ちゃん……大丈夫なの?」


 私は心配だよ……


「大丈夫だよ、ありがとう陽久留、もう終わったことだから」


「そう………」


 お兄ちゃんはそう言うけど、私はそれでも心配なんだよ、もしも、愛するお兄ちゃんに何かあったらと思うと……


「陽久留」


 ギュッ


 え?


「大丈夫、大丈夫だよ、心配してくれてありがとう。俺の心が整ったら絶対に話すから、それまで待っててくれないか?」


「お兄ちゃん……でも、私は不安なんだよ」


「心配性だなぁ……どうしたら不安じゃなくなる?」


 じゃあ……


「このままずっと抱きしめてて、絶対に離さないで、私を手放さないで」


 ずっと、


「永遠に私だけを見続けて、私を縛り付けて、私だけに触れ続けて、私だけを愛し続けて、私だけに愛され続けて、私の、私だけの……」


 お願いだから……


「隣にいてよ………お兄ちゃん」


 お兄ちゃんがいなくなったら私は、私は…!


「よしよし」


「あ……」


「本当に大丈夫だよ、陽久留が隣にいてくれれば俺に怖いことなんてないからさ。俺の方こそ、陽久留が隣にいないと不安で何も手につかなくなっちゃうからさ」


「お兄ちゃん……!」


「ずっと俺の隣にいてくれ」


「お兄ちゃん!」


 ギュー!


「今のってプロポーズ?!」


「え?!」


 お兄ちゃんが!お兄ちゃんがプロポーズしてくれた!!!


「あ、待ってやばい嬉しすぎて死にそう」


「ちょ、ちょっと待ってくれ!」


 え?


「妹として!妹として隣にいてくれって事!」


「はい?」


 なんで?!


「なんで?なんでなの?私じゃダメなの?!」


 こんなにお兄ちゃんの事が好きなのに!


「………陽久留、お前のそれは勘違いだよ、恋愛の好きじゃない、親愛と勘違いしてるだけなんだよ」


 ブチッ


 …………そう、そんな事言うんだ


「もういい、帰る」


「え?まだどこも行ってないけど……」


「うるさい!」


 なんで分かってくれないのよ!


「あ、ちょ、おい!待てよ!」


 うるさいうるさいうるさい!今は誰の声も聞きたくない!


「……………俺は、また傷つけたのか……」


 お兄ちゃんのわからず屋!

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