陽久留のブラコン度

「ひ、陽久留?さすがに冗談……」


「じゃないよ?」


 ヒェッ!怖い!怖いよ!無表情だし目に光が無いし!


「私とお兄ちゃんの時間を邪魔したんだよ?万死に値するよね?」


 ヤ、ヤバい……!ブチ切れてらっしゃる!


「そもそもなんでここにいるのかも分かんないし私達がいたからってこっちに来る必要無いよねなのにデート中の私達の間に入ってくるって事は私とお兄ちゃんを引き離してお兄ちゃんを自分のものにしようとしてるんだよねそうだよねじゃあ邪魔だよね私達の幸せを邪魔するものは全部等しく消し去るべきだよねそうだよねむしろなんで今まで放置してたんだろう今までの自分を殴りたい気分だけどこれから消せば問題ないよねそうだよねそうしたら私とお兄ちゃんだけの世界になるよねお兄ちゃん見ててね私頑張るから」


 何言ってんのか早口過ぎて分かんなかったけどとにかくヤバいのは分かった!


「陽久留!」


 止めなきゃ!


「なにお兄ちゃん私は今から邪魔者を殺して……………わぷっ」


「ダメだ!俺は陽久留がいなきゃダメなんだ!人を殺したら捕まるだろう?そしたらこうやって抱きしめられなくなる!それは絶対に嫌だ!」


 頼む!止まってくれ!


「お、お兄ちゃん……♡ぷしゅう……」


 あ、あれ?


「妹ちゃん……抱きつかれて嬉しさで気絶してるよ……」


「な、なんでそんな事が分かるんだ?」


「妹ちゃんの顔、見てみたら?」


 え?顔……?


「お、お兄ちゃぁん♡えへへ、えへへへへ」


 お、おぉう……


「でろっでろに溶けてるな……」


「そりゃあ好きな人に抱きしめられたらそうなるよ(ボソッ)………それより、冗談だよね?」


 え?


「なにが?」


「こ、殺すって言ってた事……」


「あーいや……多分ガチだったぞ?」


「え?!」


 だって……


「俺が前、女の子と連絡先交換した時と同じ顔してたし……あん時は怖かったなぁ……」


「な、なにされたの……?」


「1週間監禁された」


「へぇ、監禁………………え?!」


「いやぁ、ブラコンすぎるよな?」


「いや、唐太それ……ブラコンの領域超えてるよ……」


 え?


「そうなのか?」


「ダメだこいつ……妹に甘すぎて盲目になってやがる……」


 えぇ?


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