兄妹デート④
「お兄ちゃん」
「ん?」
あの、陽久留さん?目、据わってません?
「ラブホテル行こう?」
「はい?!」
急に何言い出すんだこの妹は?!
「もう無理、体が火照って仕方ないの!お兄ちゃんがあんな事言うからぁ!」
俺のせい?!俺のせいなのか?!
「も、もう怖くないのか?さっきまで肩震えてたろ?」
「そんなの!お兄ちゃんのおかげで吹っ飛んだよ!」
それは良かった、けどなぁ……
「お兄ちゃん……ダメ?」
ぐうっ!可愛い!でも!
「ダメだ」
俺は3つ、自分に誓っていることがある
1つ目は陽久留を絶対に守る事、これは兄としては当たり前だ
2つ目は陽久留に告白しない事、以前、俺がとある事情があるって言ったよな?それがこれだ。俺は、ブラコンは一時的なものだと思ってる。成人したら、陽久留は本当に好きになった人と結ばれるんだろう、でも、俺が今告白したら陽久留は受け入れてしまう、親愛と恋愛を勘違いしたまま、俺と一生過ごす事になってしまう。それじゃダメなんだ、陽久留にはもっと、良い奴がいるはずだ。それこそ、俺みたいなやつじゃなくて、な。しかも義理とはいえ兄妹だ、万が一俺と陽久留が結ばれたとしても、祝福はあまりされないだろう、それどころか厳しく当たられるかもしれない。それで、陽久留が傷つくかもしれない、それは、俺にとっては絶対に許せない事だ。だから、俺が陽久留に伝えられる好きは、親愛のものでしかない
そして3つ目は……
「うぅ……ホントのホントに、ダメ?」
んごふっ!かんわいいいぃぃぃぃ!!!
……………はぁ、はぁ、落ち着け俺
「ダ、ダメだ」
そう、3つ目は絶対に手を出さない事だ
正直、これが一番キツイ。何故かって?……毎日誘惑してくるんだもん、この子。こんな風に迫られたのも1度や2度ではない、むしろ数えるのが難しいぐらい誘惑されている。おかげで毎日、理性と本能がせめぎ合ってるよ……
「ほら!家でカフェの話してたろ?そこ行こうぜ!」
こういう時は無理矢理話をすり替えるしかない!
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