兄妹デート①
「おーい、用意終わったかー?」
「もうちょっとで終わるから待っててー!」
今日は土曜日、本来なら家で寝ていたかったのだが……あの例のブツの騒動の後……
『お兄ちゃん』
『な、なんでしょう!』
『今週の土曜日、陽久留と1日デートね?』
『な、なんで?』
『え?そんな事も分からないの?切り落とされたいの?』
『なにを?!』
『お兄ちゃんがこんなものを持っていたせいで私はめちゃくちゃ傷つきました、なのでお兄ちゃんには妹の傷を癒す義務があると思います』
『えぇ……』
『なにか文句でも?』
『いえ!承知致しました!』
とまぁ、こんな事があったので今こうなっているのだ
でもな……
「さすがに朝の5時に家を出るのは早すぎやしませんか?陽久留さん?」
そう、今は朝の5時。寝ている時に叩き起されて時計を見たらその時は4時だった、眠い……眠すぎる
「何言ってるの?こんなの早いうちに入らないよ?本当はもっとお兄ちゃんと長くいたいから3時に起きて4時には家を出ようと思ってたけど……」
「うおっ、いつの間に隣にいたんだよ…」
ひとりごと聞こえてたのかよ…恥ずかしい
つか、今もっと早く起きるつもりだったとかおっしゃいました?
「な、なにがあったんだ?」
「お兄ちゃんと出かけるのが久しぶりだから楽しみすぎて寝れなくてどこ行こうか迷ってて色々調べてたらそのまま寝落ちしちゃって……起きたら4時だった」
遠足の前日の小学生かよ……でも、昨日の陽久留ナイス。さすがに3時に起きるのはキツすぎる……
「んで、今日はどこに行くんだ?」
「隣町に朝早くから営業してるオシャレなカフェがあるの!そこで朝ごはん食べよ!」
「おっ、おう」
よっぽど楽しみだったんだな……目がすごくキラキラしてるし。……………しゃあねぇ、ここはひとつ、可愛い妹の為に男らしくエスコートしてやるか!
「よし!今日は俺がエスコートしてやる!目一杯楽しもうじゃ……」
「ん?いやいいよ」
え?
「もうどこに行きたいかは朝起きた時に着替えながら計画立てたし、どうせお兄ちゃんエスコートしてやるって言っても具体的なプラン無かったでしょ?」
ギクッ
「その反応、ビンゴだね。全く……その気持ちは凄く嬉しいけど今日は私がエスコートするからお兄ちゃんはそれを楽しんで?」
お、俺の……兄としての威厳が……
「兄としての威厳が、とか考えてるね?そんなものそもそも妹に昨日怒られてる時点で消えてるよ?」
……………………なんか、尻に敷かれてる気がするのは俺だけ?
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