たまには別のジャンルに手を出したいお年頃

「で、だ妹よ」


「なに?お兄ちゃん」


「なんで裸エプロン?」


「え?だってお兄ちゃん好きでしょ?」


「うん、超好き」


「だからだよ?」


 うん?どういう事?


「え……それとも……バニーガールの方が良かった?」


 ん?!


「な、なんの事?」


「え?お兄ちゃんの部屋の机の引き出しの3段目の2重底になってる所の………」


 ぬおおおお!


「な、なんでそのことを?!」


「え?お兄ちゃんの事で私が知らないことがあるとでも?」


 怖っ!


「ち、ちなみにそのブツは………」


「え?もちろん殺処分したよ?」


 本なのに殺処分て……


「私というものがありながらあんなもの見てたお兄ちゃんには罰を与えたいところだけど……」


 罰って何?!


「でも、あれのおかげでお兄ちゃんの好きなものが分かったから今回は不問にしてあげる」


「あ、ありがとう」


 あれ?これは俺が悪いのか?


「でも」


 うお?!一瞬で雰囲気が……


「次は、無いからね?」


「はっ、はい」


 そんな真っ黒な目で言わないでくれよぉ………怖いよぉ

 でも、よかった……まだそこしかバレてなかったか


「じ、じゃあ俺は部屋に戻ってるな?」


「うん!あとで私も行くね!」


「おう」


 よし!乗り切った!

 急いで部屋に行って他のブツが無事か確認しなければ!


 ガチャ


「よし!もう1箇所のはバレてない!」


 ふっふっふっ、甘い!甘いぞ妹よ!万が一に備えて本を2種類に分けていたのだ!


「よかった……重要な方が無事だった」


「重要な方ってなんの事かな?お兄ちゃん」


 ビクゥ!


「ひ、ひひひひひひひひ陽久留?!」


 なんでここに?!


「なんでここに?って思ってるねお兄ちゃん?言ったでしょ?お兄ちゃんの事で分からない事なんてあるわけないって」


 や、やばい!過去一ヤバい!


「『癒してお姉さん〜魅惑のパフパフパラダイス〜』ねぇ?」


 や、やめて!タイトル読み上げないで!


「年上ものばっかり……ねぇ、お兄ちゃん?」


「はっはい!」


「妹ものがあったのならまだ情状酌量の余地があったけど…………ねぇ?」


 いや……


「だって妹なら最高の妹が目の前にいるのにわざわざそんなもん買う必要無くない?」


 本の中の妹より現実の妹の方が比べる余地ないぐらい良いに決まってるだろう!


「お、お兄ちゃん……♡」


「陽久留が1番に決まってるだろ?」


「もう………ほんと大好き!」


「おう、俺もだぞ」


「でも………」


 ん?


「姉ものがあるのはどういう事かな?お兄ちゃん」


 え?!終わる雰囲気だったじゃん!


「それとこれとは話が別だよ?」


「ヒイッ!」


 また目からハイライトが消えたよぉ!


「次は無いって言ったよね?ゆっくり……じっくりオハナシしようか?お兄ちゃん」


「お、お手柔らかに頼みます……」


 このあと、5時間正座で妹の良さについて語られた

 あ、足が……





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