第13話

 世界は混沌を極めている。

 社会主義に染まった国々は政策が安定せず、権力争いに明け暮れ暗殺が日夜行われている。

 アメリカでも世論がぶれぶれ、戦争過激派と穏健派、社会主義者などは入り乱れている。

 ちなみに、一番危なそうなイギリスはのほほんとしている。

 いつも通り紅茶を飲んでいる。

 僕イギリスの硬水の紅茶好きじゃないんだよな。

 それで我らが日本はというと、割と安定していた。

 中国、オスマン帝国を傘下に起き経済も絶好調を迎えていた。

 特需景気による経済効果もまだ切れていない。

 混沌とした世界の中で日英同盟だけがのほほんとした生活を送っていた。

 だがしかし、いつまでものほほんとしてはいられない。

 資本主義陣営として社会主義陣営に対抗するためなんとかしなくちゃいけない。

 僕はイギリスとアメリカとの会議に向かった。

 面倒だなぁ。

 

 ■■■■■

 

 日英米三国同盟。

 資本主義陣営として社会主義陣営に対抗するための同盟。

 僕の世界では日英同盟を解消しろとか、軍縮とかがあったがこの世界ではない。

 まぁ社会主義陣営という大きな脅威があるから当然だよね。

 ちなみに、イギリス、日本、アメリカの勢力圏も今回の会議で決められた。

 日本はイランなどの中東、オランダ領東インドに駒を進め、イギリスはアフリカ、アメリカは南アメリカを支配するために駒を進めることに決まった。

 社会主義陣営が国内の混乱であたふたしている間に、三カ国の勢力圏を大幅に広げようという話である。

 日本とイギリスは全然平気そうだけど、アメリカはヤバそう。

 日本とイギリスの国民はまだ戦争気分だから平然と次の戦争に向けて駒を進めることに躊躇しないだろうが、アメリカばかりはそういうわけにはいかないだろう。

 戦争すべきという過激派と、モンロー主義を守るべきという穏健派に二分されているし。

 どうするかはわからないけど、頑張るらしい。

 まぁアメリカが失敗したら日本がなんとかするだけだ。

 日本の担当はイランなどの中東の国とオランダ領東インドだけだ。

 いくらでも手は余る。

 日本は一応ソ連を相手取れるように軍拡しているからね。

 それと、社会主義陣営との第二次世界大戦に勝利した後の勢力図も決めた。

 ざっくりしてて、ヨーロッパとアフリカをイギリスが。

 アジアと北極と南極を日本が。

 北アメリカと南アメリカをアメリカが統治する予定だ。

 大東亜共栄圏。……東じゃないから大凍亜共栄圏か。

 北極と南極も領有することになっているしね。

 ちなみにだが、イギリスがインドとかオーストリア、カナダを日本とアメリカに渡すということらしい。

 よくイギリス認めたよね。

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