第12話
「は?」
僕は秘書くんからの伝令に、アホ面を晒す。
それも仕方ない。
仕方がないことだ。
誰だってそうなる。
何だって?
ロシアだけでなく、フランス、ドイツでも共産革命が起こった、だと?
信じられない。
僕はしばらく空いた口が塞がらなかった。
■■■■■
1909年。
日本とイギリスが参戦し、オスマン帝国が日本に全面降伏した頃。
ロシアで共産革命が起こった。
僕がいた世界同様にレーニンが頑張ったんだろう。
だがしかし、ロシアで巻き起こった革命の業火はとどまることを知らなかった。
共産革命の業火はまたたく間に欧州全土に広がった。
フランス、ドイツ、イタリア、オーストリア・ハンガリー二重帝国などなど。
第一次世界大戦に参戦していた殆どの国で共産革命が勃発。
日本の傘下であるオスマン帝国でも共産革命が起こり、国内の共産党員の動きも活発化した。
日本がそれらを弾圧している間に、欧州各国は共産主義国へと染まりきってしまったらしい。
イギリスも奮闘したらしいが、普通に無理だった。
まぁイギリス国内でも共産党員の動きが活発化したらしいし、仕方ないといえば仕方ないかもしれない。
全くアメリカは何をしているんだが。
僕は未だに動きを見せないアメリカを恨めしく思いながら、これからのことに思いを馳せた。
第一次世界大戦は一体どうなるのやら。
■■■■■
第一次世界大戦は戦勝国はいない、なぁなぁな結果となってしまった。
講和会議は1911年、1月。
中立国という立場を守り続けていたアメリカのポーツマスで開かれた。
いや、あれは講和会議と呼べるものでも、条約と呼べれるものでもない。
フランス、ドイツ、オーストリア・ハンガリー帝国、ロシア。
共産主義に染まった彼らが訴え続けたのは無併合・無賠償。
政治のせの字も知らないような素人共が精神論・平和主義を叫んだ。
イギリスは賠償金やら利権やら、敵国への軍備縮小など様々なことを要求したが、全て突っぱねられた。
オスマン帝国に賠償金を請求し、属国化しようとしていた日本のことも騒ぎ立てたが、僕はガン無視して押し切った。
別に日本は戦争を続けても良いのだし。
共産革命でゴタゴタになっている国相手なら欧州全土が相手でも謀略でなんとかなる。
彼らは戦争を直ちにやめると公言して、権力者の地位に立ったのだから。
さすがに彼らも戦争を続けることが出来ないことを理解しているのか、めちゃくちゃ文句を言われたが、最終的には認めた。
やったぞぉ。
オスマン帝国ゲットだぜ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます