第10話
第二次日清戦争が終結してから、約3年後の1908年。
英仏協商。
世界を揺るがす大ニュース。
イギリスが第一次世界大戦に参戦することが決定した。
そのニュースはフランス、ロシア各国に希望を与え、ドイツ率いる三国同盟に絶望を与えた。
ようやく、第一次世界大戦が三国協商VS三国同盟という構図になった。
よくフランス、ロシア各国は耐えたものだよ。
まだ、まだ戦争は終わらない。
日本も日英同盟を理由にドイツに対して宣戦布告した。
入念な準備を行っていた日本軍は迅速に動き始めた。
まず日本軍が狙うのはドイツ領南洋諸島。
早速港から日本艦隊が発艦していった。
そして、ドイツ東洋艦隊を日本艦隊が撃滅。
流れるように、日本はすばやくドイツ領南洋諸島を上陸。
さしたる抵抗も受けずに占領することに成功した。
次に日本はドイツが中国から租借している青島へと兵を向けた。
青島をくるりと覆う精強なる日本艦隊。
そして、駐屯しているドイツ兵の数の5倍もの兵力と空を覆う数々の航空機を日本が差し向けたことで、青島に駐屯しているドイツ兵は戦闘もせずに、降伏を選択。
直ちに日本陸軍が青島を占拠し、駐屯していたドイツ兵を日本の捕虜収容所へと送られた。
戦闘もせずに降伏したのは予想外だったが、余計な損害が出ずに済んだのだ。ありがたい。
その後日本海軍はイギリスの要請を受け、輸送船護衛も請け負った。
しかし、欧州への兵力派遣は拒否した。
これは政府の強い意向だ。
ここまで全て僕のゴリ押しで進めている。
ここも無理やり推し進めたらさすがの僕も非難を浴びるだろう。
立場を失いかねない。
もうすでに十分すぎるほどに政治家たちからの印象を損ねているのだから。
まぁ軍人として指揮をとり、連戦連勝。
日本一の企業の社長で、様々な慈善事業、何より昭和天皇陛下の隠し子ということでまさに神の如く。
そんなふうに民衆に思われているようで、僕の支持はかなり高いんだけどね。
その代わりに日本が行ったのはオスマン帝国の本土上陸作戦。
日本兵が中東に上陸。
すぐさま進軍を開始した。
オスマン帝国にとって寝耳に水とも言える日本軍の上陸。
これよりも前にイギリスとの戦闘、ガリポリの戦いをかろじうて跳ね除けたばかりであった。
オスマン帝国の兵はすでに死に体。
日本兵は順調に進軍を続けた。
世界最新鋭の毒ガスを持ち、第二次日清戦争で経験を積んだ万全の日本兵に勝てという方が無理な話だ。
砂漠という慣れない地形なんて物ともせず日本兵は進軍を続け、オスマン帝国首都インスタンブルを陥落させ、オスマン帝国を全面降伏までに追い込むことに成功させた。
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