第9話
1905年に結ばれた第二次下関条約。
そこで決められた事柄は以下の通りだ。
1,満州の割譲。
2,賠償金3億両(日本円で約4億6500万円)の支払い。
3,中国が保有している兵器の贈与。
4,軍隊の解体。
5,中国沿海の漁業権を日本に認める。
6,中国における鉄や石炭、石油などの採掘権を日本に認める
結構吹っかけた。
でも、中国が反対できるはずがない。
このまま日本と戦い全面降伏するほうがよっぽど悲惨なのだ。
むしろ中国は領土的な割譲が満州に留まっていることに感謝するだろう。
まぁその後どうせ内乱に陥るだろうけどね。
清政権は革命によって倒された。
孫文率いる中華民国の手によって。
だがしかし、だからといって中華民国政権が盤石かと言ったらそういうわけではない。
そもそも敵国であり、憎悪の対象である日本の力を借りて革命を成し遂げたのだ。
革命そのものに良い感情を抱いていない人たちがいるのだ。
それに、軍の解体に兵器の贈与。
軍人たちはこれらを認めた中華民国政権に反感を抱くことになるだろう。
当然様々な軍閥やまだ少ないとはいえ共産主義者などもいる。
これより中国は暗雲の、動乱の時代を迎えるだろう。
様々な組織が頭角を現し、長く続く内戦が巻き起こるだろう。
日本はその様々な組織に中国から贈与された兵器の数々を売っ払って更に金を奪ってやろうという考えだ。
軍人も大臣も首相も、明治天皇陛下を除く全てがもっと多くの中国領土を得ようとするのでそれらを抑えるのにめちゃくちゃ苦労したよ。
だが、これで日本はさらなる飛躍を遂げるだろう。
僕がいた世界では見つけられなかった油田もあるし、そこを開発、開拓すれば日本の石油問題もひとまずは解決する。
にしても、ここまで日本が暴れたというのに、どこの国からも非難されることはなかった。
唯一アメリカからは少し圧力を加えられたが、少しだけだ。
ほとんど何もないのと等しい。
実際に日本が米に対し何かしたわけでも、譲歩したわけでもない。
少し日米関係に亀裂が走っただけである。
それだけ全世界は第一次世界大戦に釘付けになっているということだろう。
おそらく、アメリカも第一次世界大戦による空前の特需景気のおかげで、作れば売れる状態。
さほど中国の市場を必要としていないのだろう。
おかげで日本は好き放題できる。
このまま日本は中国から得られた権益で軍拡を続ける。
そして、第一次世界大戦を無事に終え、来たる第二次世界大戦で必ずや勝利を掴む。
圧倒的な勝利を。
我が国のために。天皇陛下のために。我が愛すべき人たちのために。
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