第69話 タトゥー

私がピアス・染髪・タバコ・お酒・ギャンブルをしている保育学生であることは周知の事実だが、まだ合法なことでしていないことがある。


それはタトゥーである。


父親も若いころはやんちゃしていたこともあり、気持ちが分かるからと黙認してくれている。


しかし、両親の中で考えるヤンキービンゴの盤面はトリプルリーチ位ギリギリらしい。


「たばこは母さんに内緒にしてやるから、タトゥーだけは入れるなよ。」


ヘルニアの痛みがひどすぎて、たばこを吸うことすらできないことは秘密にしている。



私は高校の時にタトゥーを入れようと本気で考えていた。


場所やデザインについても決めていた。


しかし、当時お付き合いしていた彼に、タトゥーは温泉やプールに行けないし、痛い思いするのはなぎだよ、と止められ結局入れなかった。


その彼は、ほぼ婚約者のような人だった。


ほぼ同棲していて、両家公認だった。


何故別れたかは、別作品「セントレア」に詳しく書いてある。



私は腰と足が思うように動かず、動画を見ていた。


するとふとカップルチャンネルが出てきて、見てみることにした。


とてもリアルで、見ているこっちが共感性羞恥を感じるようなもので、よくこんな動画を投稿するなあと思った。


しかし他の動画を見てみると、実は芸人さんで男女コンビ、付き合ってなどいないことが分かり、私はまたずぶずぶと芸人さん沼にはまった。


元彼が、その動画の彼氏役の人+アインシュタインの河合さんにそっくりで、動画を冷静に見ることができない。


「うわあ、こんなんあった…。」


「うわ、うわうわうわうわ。」


「いや、どこのカップルもこんな感じなん?」


ずっと独り言を言っていた記憶がある。



やっぱりイケメンは見るだけが一番だ、と心の中で解決し、冷凍してあった手作り餃子を焼いてビールで流し込んだ。


和食も洋食も中華も作れるので誰か拾ってほしいものだ。

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