第53話 寝落ち、そして配信

無事に年を越したと言いたいところだが、私はカウコンの時間を寝落ちで過ごし、推しの姿を見ることはできなかった。


ビールを飲んだことがいけなかった、と反省しても時すでに遅し。


両親に録画できているか連絡をしたところ、言われることを想定して確認済だと言われた。


感謝の涙を流し、私は寝正月を過ごした。


配信ライブがあることが分かり、私は即入金し、配信を見た。


推しの姿が見れ、推しと推しが神曲をコラボしている。


10秒単位で私は動画を止め、深呼吸を繰り返した。


ジャニーズの前では私はただのオタクである。


「お金払う価値あった…。これはお布施。彼らの口座に間接的にでも振り込めたのだから…。」


そう言いながら、私は何度も見た。



元彼たちからの連絡に辟易し、精神的に病むこともあった。


それでも私は、ジャニーズの動画を見て、気持ちを落ち着かせた。



恋愛は疲れた。


1人でも楽しく過ごせることが分かった。


きっと今年は大丈夫、自分に言い聞かせ、私はまたお酒をあおり眠った。


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