六  夢

 暗闇の中、部屋の隅の常夜灯だけが柔らかな光を灯す午前四時、

泣きながら目を覚ます。


――ヤダ、イヤダ――


 常夜灯が部屋の隅に作る陰が何かを孕む。

 いつものことだから、

もう忘れてもいいのだということは判っているつもりだ。

 愚図るように啜り上げる。

 こういうときだけ、感情が止まらなくなる。


 いつか、くるのだろうか。

 いつか、来てしまうのだろうか。


 いつの日か、訪れるのだろうか。


――ヤダ、イヤダ――

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