五  味噌汁

 ミスチルの曲が好きだ。

 戻ったマンションで早起きした撫子さんはベッドしか置いてないような部屋のベッドから起きあがると、

シャワーをすませ、

髪を乾かすのもそこそこに、

味噌汁を作り出す。


 白い壁面。

 天井から床まで続く一筋の隙間の脇をそっと押すと開く。

 ビルトインのクローゼットから背の高い、

折りたたみの丸テーブルを出すと窓際、

フローリングの床にたてる。

 椅子も出す。


 キッチンから味噌汁とご飯、岩海苔と浅漬けを出してくる。

 陽光の差し込む朝餉。

――いただきます――


 朱塗りの箸に輝くお米を小さなお口に頬張る。

 いい気分。


 ミスチルの曲が好きだ。

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