アムリタ。
インド神話では乳海を攪拌した時に生じたとされる神秘の雫。
それがある時降り注いだ時、地上の環境、生態バランスは大きく変貌し、怪物は出現し、不死性を求めてアムリタを巡り人々は争った。
そんな世界で、同じく妹のためにアムリタを探し求める青年ダルタンの物語。
その背景やそこに至るまでの人間関係をあえて多く語らず、読者の想像に任せるような構成となっている短編です。
ディストピア感満載のハードなSF作品で、神話的な要素を取り入れた独特の世界観、価値観を形成していて、説明の少なさ、短さの割に骨太な意欲作となっています。