きのこのペペロンチーノ
澪凪
私じゃだめなんだろうな
いおり先輩にご飯を作る日が来た
胸張って、作るから!と言ったものの
私は胃腸炎とマロリーワイス症候群にて
当初予定していたメニューは食べられない
そこであっさりとしたものを基本にメニューを構成した
先輩は、買い物に行く途中、いつもの言葉を言った
「俺、やっぱり独り身が1番良いわ」
知ってる、そんな先輩が好きなんだもん
「良いんじゃないですか?それが先輩じゃん」
「いつかは家庭を持つんだろうけどさ、20代後半とかだよね」
「理想的ですね〜」
私じゃだめなの?
この疑問はもう何度も何度も繰り返した
その度に答えをはぐらかされて
私は期待をしてしまう
先輩の家に帰宅し、ご飯を作った
きのこのペペロンチーノとおつまみ2品
私は幸せだった
次の日の早朝、私は身体に異変を感じた
でもそれを悟られたらきっと余計に嫌われると思い、実家で何かあったと理由をつけて、
始発で帰った
結果、腎臓の病気だった
死ぬとかではないが、とても大変で、
書いている今も熱と身体の痛みと闘っている
いおり先輩は私の身体より、私の実家の方が心配のようだった
ほんとにこの人のこと好きなの?
ありえない
人としてどうなの?
そう思った
いおりさん、好きじゃなくなっても
後輩として隣にいさせてね
私の気持ちはこんなことで砕け散るのか、と
朦朧とした意識の中で記録として残す
早く元気になりたい
きのこのペペロンチーノ 澪凪 @rena-0410
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