第9話 闘いは始まらない



 紅い瞳の民達は、石で削った剣の様な物、槍の様なもの、弓矢も作った。


 彼らは、中央で黒い煙を吐く、高い壁の村へ向かった。まるで秋の日の落ち葉が終わった木が何本もの枝を露わにしているような角を持った四つ足の生き物に乗って。


 夜に着いて、翌朝には決戦を挑んだ。然し、彼らの矢は高い壁に阻まれて届きもしない。ましてや、木製の槍や剣など出会う事もできない相手に、どうやって使おうといのだ。さらには、高い壁の上から放たれた金属の矢に刺さり、満身創痍の状態で手も足も出ない。


 そんな時に、向こうから細く長い一本の角を持った生き物が揃って近づいてきた。灰色の瞳の民達が、彼らの乗る生き物の上で武器を高く持ち上げて見せた。大型の魚を捌いた時に残った骨を削った武器を持って合流しにきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る