ブラック

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 その男は凄腕の剣士だ。


 剣の扱いで、右に出る者はいない。


 だから、図にのっていた。


 他の剣士に指図をして、困らせていた。


 困ってはいるが、他の者達は逆らえない。


 なくなく、金をあげたり、食い物を差し出したりしていた。


 しかし、剣士は満たれない。

 それは、他の剣士も同じだった。


 その世界の剣士たちは、みな職に困っていた。


 数年前は、戦で仕事がたくさんあったが、今は平和になっていたからだ。


 だから、その剣士はいった。


 戦がないなら、起こせばいい。


 指図された剣士たちは、仕方なく戦をおこすことにした。


 村や町を襲って、略奪。


 近くの国がいがみ合うように、互いの国の仕業だと偽装した。


 最初は仕方なくだったが、剣士たちは徐々に自ら騒動を起こすようになった。


 彼等の目論見は成功して、戦は起こった。


 剣士は大喜びした。


 剣を持って、活躍した剣士は、やがて一つの国の英雄となる。


 そして、もう一つの国は滅んだ。


 戦に勝った国の人々は、その英雄の過去を知らない。


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ブラック 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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