第18話 ほら、助けてあげないの?
お兄ちゃんが魔術で前方の人達を
つま先立ちで、ステップを踏むように移動し、相手を
仕方がないので、
(地面が
一番がたいの大きな男をうつ伏せにし、その上に片足を乗せて組み
そして、その男の腕を
「えっと、折ってもいい?」
私は笑顔で聞いた。ブルブルと首を左右に振る大男。
「
兄は杖で、倒れている男の
どうやら、彼らは犯罪者のようだ。
「ふむ――
男達は
「こうやって、使い捨ての
あの時、気付いて入れば――と兄は
私と違って、お兄ちゃんは優しい。
魔術で相手を
(私もそれなりに手加減したんだよ……)
わふんっ!――お兄ちゃんに対し、可愛らしく小首を
私の足元には、完全に気を失って泡を吹いている男達が
怒られるのかな?――と思ったが、どうやら、私に
「おい、お前」
その言葉に――ヒッ――と小柄な男が
どうやら、彼がこの連中のボスのようだ。
「
と告げる。私は――仕方がない――と組み
「ほら、助けてあげないの?」
私の言葉で、
動ける連中は、倒れている仲間に肩を貸した。
「くっ、
と小男。腰にある刃物に手を掛けようとしている。
(いや、そっちから
私は溜息を
「私達、市場に居た屋台のおじさんに紹介されてきたんだよ」
私はその男の顔面に
(あっ!――ちょっと、やり過ぎたかも……)
丁度、仲間を助け起こしていた連中に
ぐえっ!――と声を上げたかと思うと、折り重なるように倒れた。
不運にも、一番下になった男は泡を吹いて、気を失ってしまったようだ。
「チッ、ガイヌスの野郎め――
と小男は悪態を
ガイヌスというのが屋台のおじさんの名前らしい。
恐らく、ここの男達は外から来た人間なのだろう。
顔の作りが、この国の人達とは少し異なっている。
「で、買い物は出来るのか?」
兄の問いに、
「へ、へいっ!……魔術師様でしたか、人が悪い」
小男は急に
旅をしていた私と兄にとっては、
(
私が
「どうした?」
お兄ちゃんに言われ、
「声が――」
と私。だが、もう
うんん――と首を横に振ると、
「気の
そう言って、兄の横に並んだ。
やっぱり、お兄ちゃんの隣は安心する。それにしても、
(空耳だったのかな?)
私は首を
「こちらですぜ、
とは小男。先程までとは
見事な手のひら返しだ――としか言いようがない。
(
――それと
どうせ、この場限りの付き合いだろう。
訂正するのも面倒なので、無言でついて行く。
すると、酒場のような場所に連れて来られた。
実際、夜は酒場なのだろう。
(
――また、
私が疑いの
「こ、こちらです」
小男は慌てて、カウンターの奥へと案内してくれた。
(なるほど、本来は酒場の方から店に入るのか……)
――まぁ、どの道……同じような目に
そうなる事が経験上、予想出来た。
基本、彼らのような人間は、自分達より弱い人間しか
酒場の奥の隠し扉。案内され、そこを
すると、薄暗かった場所から、明るく開けた場所に出た。
そこは
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます