ネオンに染まる窓

飢え

私は愛に飢えていた。


毎朝知らぬベッドで目を覚まし、毎朝喪失感にかられた。


私は愛に飢えていた。


あの日、愛していた彼と、ふたりで貯めた未来が、跡形もなく消えた。


私は愛に飢えていた。


奪われてしまった愛を、抉り取られた愛を、誰かに注いで欲しかった。


私は愛に飢えていた。


痛みを忘れるために、悦びを求めた。


私は愛に飢えていた。


痛みが悦びに、悦びが痛みに変わったのは、一体いつだっただろうか。


私は愛に飢えている。


だから今も、知らぬベッドの上で、ただ、ないている。



「ねぇ、早く私を満たして。深く深く、溺れさせてよ。」

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