第10話 恋歌⑩

「恋歌⑩」


あれから二年が駆け足で

同じ季節が巡り往く

いろんな思いや思い出が

春の日差しに融けていく


二人で出かけた景色には

どこに行っても君がいる

思い出ばかりが多すぎて

悲しさ胸を締め付ける


二人で見つけた喫茶店

一緒に泣いたあの映画

サイドシートではしゃぐ君

すべてを消した自分から



僕は僕なり考えた

君のことだけ考えた

毎日毎日考えた

君の未来を考えた


楽しいはずの春の旅

ときめき心の二人坂

桜のつぼみ震えてた

「さよなら」告げた春の暮れ


僕はこれから強くなる

君を忘れて強くなる

君も忘れて強くなれ

自分のために強くなれ


僕は何とか生きていく

君を忘れて生きていく

今までホントにありがとう

ホントのホントにありがとう



「サヨナラ」

「ゴメンね」

「もう僕は人を好きにならないから」

「たぶんずっと一人でいるつもりだから」


君以上に好きな人なんていないから

ぜったいにいないから

いるはずないから



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恋歌~眩しかった頃は~ 詩川貴彦 @zougekaigan

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