第5話 恋歌⑤

「恋歌⑤」


眩しい4月の陽だまりの

景色はすっかり春模様

桜並木の木漏れ日が

優しい春風呼んでいる


あれからたったの2週間

遙か昔のことのよう

たった一夜の初デート

元の木阿弥木曜日


歓迎会の金曜日

それでお開き帰り道

どちらからとも声をかけ

なぜか一緒に飲み直し


ワインを空けて酔っぱらい

二人並んで帰る道

始めて触れた君の手を

放すものかと握りしめ


「ねえ週末はどうするの」

思いがけない君の声

「いっしょに来るかい。いいのかい」

そっとうなずく愛おしさ


暗い夜道を二人きり

春の夜風は優しくて

それでも少し肌寒い

そっと近づき暖まる


君を送った帰り道

夢ではないかと頬つねる

それからもっと好きになる

好きになったらどうしよう

「本当にいいんだね。」

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