第5話

「みんな〜♡元気〜?」


(みんなって誰だよ・・・)


「あれ〜?声が聞こえないよ〜?

もう一度いくよ〜

みんな〜♡元気ー?」


(なんで○○のお姉さん風なんだよ‼︎

しつこいし💢)


今日はね〜お姉さん

みんなのために人形劇してあげようと思って準備してきたの〜」


(ドア越しじゃ見れないのになんで人形劇⁉︎

チョイスのクセ‼︎)


「始まり始まり〜♪」


(はぁ〜始まったし・・・)


「むか〜しむかし。いやっ・・・ちょっと昔?

現代よりな?そんな昔じゃない昔」


(どうでもいいわ‼︎早く進めろよ‼︎)


「熟年夫婦がいました。」


(もうそこは お爺さんとお婆さんでいいだろ‼︎

熟年夫婦って・・・)


「夫の名前は山田太郎46歳 万年平社員。

年頃の娘から

『お父さんの服と一緒に洗わないでって言ってるじゃん‼︎』

っと言われている」


(いや!こだわりのクセ‼︎そして太郎可哀想だな‼︎)


「妻 山田花子43歳 専業主婦。

夫の加齢臭が嫌で別で寝るようになった。」


(やっぱり太郎可哀想過ぎる⁉︎)


「太郎は会社に 花子は家のソファーに寝っ転がりながら韓国ドラマ。」


(リアル‼︎)


「太郎は今日も上司から怒られ

若い後輩からはクスクス笑われ」


(太郎不憫・・・)


「家に帰ったら 妻と娘から煙たがられる」


(なんだろ・・・目から涙が・・・)


「家に帰りたくないので

帰りは行きつけの小料理屋によって酒を煽り家路に着く。」


(嫌なことは酒を飲んで忘れないとな。

僕は太郎を応援するぞ!)


「そんなある日 太郎は会社で倒れてしまう。」


(⁉︎大丈夫なのか?太郎!)


「倒れた原因は酒の飲み過ぎだった。」


(タローーーーーー‼︎‼︎

あの日の酒が原因かぁーーー‼︎)


「花子はそんな太郎に今がチャンスとばかりに離婚届を突きつけた。」


(さらに追い討ちーー⁉︎

花子鬼過ぎだろ‼︎)


「太郎はどうする事も出来ず離婚を承諾。

娘の親権は花子に。

そして 言われもない理由で慰謝料も請求される。」


(・・・哀れ過ぎる。僕だけは太郎の味方だぞ。)


「花子は若い男と娘と3人で幸せに暮しましたとさ。」


(絶対 花子浮気してただろ⁉︎

こんなの太郎が不憫過ぎるじゃないか‼︎)


「おしま〜い」


(せめて太郎を幸せにしてから終わってくれ・・・涙が・・・)


「みんな〜お姉さんの人形劇どうだったかな〜?」


(そうだった。これ人形劇だった。

でも 明らかに子供向けではない。)


「これが現実だよ〜♪

こうならないように〜みんなは太郎みたいになっちゃダメだよ〜」


(太郎だって頑張ってるんだぞ‼︎)


「それじゃ〜良い子のみんな〜バイバーイ♡」


(それでアイツは何がしたかったんだ?)


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