第5話 GPS

西千葉駅の改札で待ち合わせした 沙耶香と駿しゅんは、


JRで一駅 移動し千葉駅につき そこから


バスで〝千葉総合病院〟を目指した。


沙耶香は、駿しゅんのナビがなければ


たどり着くことができなかったと、


駿しゅんの事を頼もしく感じていた。


バスは、〝千葉総合病院〟の正面玄関で停まり2人は降りて、


病院を見上げた。


病院は、7階建ての、ガラス張りの建物で、


沢山の人がロビーにはいた。


ロビーに入るや否や、沙耶香はツカツカと


受付に歩いてていき、


「私!小杉沙耶香っていいます!小杉真は、どこで

魔物に受けたキズを治療してますか?!」


と受付嬢に詰め寄ったつめよった


駿しゅんは、慌てて沙耶香の前に行き


「ごめんなさい この子のお父さん 小杉真 この病院にいるみたいなんですが、何処どこにいるかわかりますか?」


受付嬢は、「入院してるの? 待って」とパソコンを操作して


「小杉さんって方は、入院してないわ 受診だとわからないわね‥」


と言って 少し迷惑そうだった。


沙耶香は、「絶対いるんです!だってGPSが ここを指しているんですから!」


とムキになる沙耶香を駿は、制して


「じゃあ、小杉さんって方は、ここで働いてないですか?電気屋なんですが?」


受付嬢「電気屋?うーん いないわね、メンテナンスの業者の人はたまにくるけど、今日は来てないわ」


と言うと、次に並んでいる人に目をむけ、


「ごめんね」と付け足して


次の人の対応に当たった。


2人は、しばらくロビーをキョロキョロしていたが


沙耶香のパパは、居なかった。


2人は、疲れて 沙耶香の奢りおごりで、


カルピスとコーラを売店で買い、バスのロータリーのベンチで夕陽に、照らされていた。


「そろそろ帰らないと」


沙耶香は、iPhoneを見て 「居るんだけどなー」


呟いたつぶや


駿は、ちょっと見せて と言って 沙耶香のiPhoneを見た


「沙耶香 これ、位置ずれてないか?俺たちのいるところと少し離れているぞ」


沙耶香は、iPhoneを取り返すと


「ホントだ ズレてる」と言って2人は、


顔を見合わせた。


駿は、「電話してみたら?怒られる?」と聞くと


沙耶香は「仕事中は、何かないかぎり かけちゃダメって言われてるけど」


と言い終わる前に、すでにかけていた。


駿は、「スピーカーにして」と言って沙耶香に寄り添った


数コールして、父 真はでた


「沙耶香か?何かあったのか?」


沙耶香は、「何もないけど パパ大丈夫?」と聞いてみた。


すると 「小杉さん!3階のはやっつけた⁉︎」


と声が聞こえた。


「やっつけた⁉︎」と2人は声を出し顔を見合わせた


真は、「すみません SRが足らなくて、明日にはやっつけます‥ 沙耶香ごめん 忙しいんだ 何か話しがあるなら、帰ったら聞くよ」と言って


電話を切ってしまった。


沙耶香と駿は、電話の内容を2人でああだこうだ


と話しあったが


魔物がいると主張する沙耶香と現実的な駿は


平行線だった。


2人は、5時回ったこともあって帰宅した。


夜 9時 沙耶香の家


「ただいま、つかれたよ 沙耶香は?」


母 美佐子は、「沙耶香はリビングでねてるわよ」と言ったが、


沙耶香は、寝たフリをして聞き耳をたてていた。


真は、「憑かれた 塩くれ」


美佐子は、「あっ 憑かれたのね待って」


と言って一握りの塩を渡した。


真は、表 マンションの廊下にでて 頭から塩をまいて、何やら呟いたつぶてまた 家に入った。


沙耶香は、〝お塩⁉︎〟とビックリして


寝たふりをしている呼吸が荒くなった。


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