第3話沙耶香 闇に迫る

台所で料理をしていた美佐子は、

真の携帯の着信に気づき、

風呂に入っているまこと


「マコトー、伸子さんの娘さんから電話よ」


と声をかけた。

真は、不機嫌そうに、「後でかけ直すと伝えてくれ」


美佐子は、その旨伝え電話をきった


沙耶香は、聞いてはいけないと感じた。

真は、食事を済ませたあと、寝室に入り

電話をかけていた。


沙耶香は、盗み聞きしようと用もないのに、

寝室の前にある浴室あたりを、ウロウロしていた。


「‥いや、無理ですよ‥いくら血筋が‥

もう辞めます‥」


「沙耶香〜」


母 美佐子に呼ばれて、慌てて沙耶香は

リビングにもどった


沙耶香は、頭の中で〝パパ魔物退治辞めるんだ 良かった 伸子さんって人がボスなのね 明日パパ休みだ〟


と考えていた。


翌朝


真はいつものように、仕事に向かった

沙耶香は、唖然あぜんとして

母 美佐子に詰め寄った。


「どうして!パパ 魔物退治やめたんじゃないの!?」


美佐子は、「魔物退治?何言ってるの おかしな


だが、沙耶香は、美佐子が何か、隠していると

確信した。


沙耶香は、「だってこの前だって魔物にやられて

怪我して‥」


美佐子は、沙耶香の背の高さまでしゃがみ


「沙耶香 怪我の事は、忘れて 誰にもいわないでね」と優しく、力強く言った。


「いいもん、あたしのやり方でパパの魔物退治 絶対やめさせるんだから!」


と沙耶香は、言い放ち 登校前に、自分の部屋に

籠ってこもしまった。

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