妄想だと言えば何でも許されると思っている世界の中心で哀を叫ぶ
(この辺りに登場する主要CAST)
赤城 (♂)… 心に
司令 (♀)… 外貨と話術で巧みに隊員を操るちょっと良くない上司。
青沼 (♂)… いかにも脳筋な感じで現れたハズが、もしかしたら違うんじゃないか?みたいなブレッブレのキャラ像になりつつある兄貴。それが伏線なのか素なのかは作者も
桃井 (♀)… 情報収集担当にしてこの拠点のブレイン的メガネっ娘。ギャルゲーならプレイヤーに確実に最後の攻略対象にされる事
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「まあそう気を落とさずにとりあえず
…! そうだった、もう
俺はもう誰に断る事も無く、部屋の
「重ッ!? なにこのテレビ、こんな小さいクセに……あれ、無い…HDMIの差し込み口…横にも…無いな? どうやって
そもそもこんな古いテレビ、実物見たのだって初めてなんだし今の仕様がそのまま通用するわけ無いよね。
「やってやろうかー?」
青沼さんが助け舟を出してくれたが、
「いいです! 自分で何とかします!」
俺は自分でもよく分からない意地を張ってしまった。あれ、俺またやっちゃいました…?
「この赤白黄の3色の端子は今も付いてるから…【入力1】【入力2】? あれ、どっちだこれ…DVDプレーヤーの方は…【IN】と【OUT】…???」
いやいやいくら何でも説明
今は【アンテナから】とか【~へ】とかって書いてあるもんな。製造側が親切になったって事か、もしくは理解できない人が増えたって事なのか…願わくば後者であってほしい。
「全く、配線くらいで
後頭部側から聞こえる青沼さんの声は『呆れた…』よりも『俺にもあったなそんなナイフみたいに
俺が若さゆえの
「司令、いい物あったからこれあげます」
手にはなんか小さい箱。デザインからして市販の医薬品か?
「む、これは…?」
司令も知らないのか。
「口内炎の薬。シール状になってて患部に
へえ、世の中にはそんな物もあるのか…。
「なん………だと……!!?」
司令が過去最大の目の開きを見せた。
そんなに
「まあ、口内炎が
若い娘がツンデレ顔でタマタマって連呼しないで下さい。
「ピンク…、若い娘がタマタマ連呼すんなよ」
言うなや!!!
「うっさいハゲ!
「あと10年はハゲないし死なん!!」
え、10年で人生と髪の毛に見切りつけるのって早くない??
「桃井君…すまん、感謝する。お礼と言っては何だが…あと2万追加しよう」
「2万!? ウヘ、ウヘ…ヘヘヘヘ…ウヒョヒョヒョ…(っ¥ヮ¥c)ウゥッヒョオアアァアアアァ…」
桃井さんは両の瞳に¥を輝かせながら、気持ち悪い笑顔でヨダレ垂らしながら暗い
…完全に女を捨ててるなあの人。200円未満の為に。(前話参照)
「…青沼君」
「はいはい、いってらっしゃい貼ってらっしゃい」
司令はそう言い残すと目をギラつかせて六畳間から洗面所?の方へ出ていった。
やり取り的には見方によってはなんかカッコいいハズなんだけど、口内炎が全てを台無しにしていた。
いや今はそんな
「ええと、確か…映像を映す
ヤバい、こんがらがってきた。
青沼さんに素直に頼まなかった事を俺は早くも後悔した。意地張った手前頑張るけどさ。
『あっ…』
「!?」
その時、洗面所の方から司令の
や、だって、その、………ねぇ?
『ん…こんな風になってるのか…。思ったより…大きい…はふ…、んん…っ』
… … … … … … … … … ナニガオオキイノデショウ?
「おーいレッド、どうした? 降参か?」
「ハッ!? い、いいえ、自分はもう高校は卒業しておりますので
「何言ってんだお前…」
ハアアアアァァァァァ!!?? ちょ、ま、落ち着け自分!!!
薬! 大きいって薬の事だからきっと!! それからあの司令だからね俺!!! 変な想像しないで深呼吸して現実を見よう、サン・ハイ!!!!
『んぐ…、ゲホッ…! ハァ、ハァ…嘘、これを…奥まで…? そんな…初めてなのに…』
「ファアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
おわあああああどっからこんな声出てるんだ俺ええええぇぇぇぇぇぇ!!!???
「お、おい、マジで大丈夫か? ヤバい電波でも拾ったのか?」
電波ならどれほど良かったでしょう。
「だだだだだだだだだだいじょうぶぶぶぶですすすすすプピ」
『…ガハッ…! や…痛っ…んぐっ…ゴホッ! …ハァッ…ハァッ…! もうやだっ…痛いぃ…どうして…ひどい…』
「口内炎! 口内炎!!
俺にも分からなかった。
そうだ、こんな時はおまじないだ!!
「滅却! 滅却! 心・頭・滅・却!!」
俺は頭の中でリズミカルかつ必死に
「おまっ、ちょっ…落ち着けぇぇぇぇ!!!」
青沼さんが両手で俺の頭をボールのように
「ひゃああああああ冷たいいいいいいいい!!!???」
冷静さを取り戻したのを確認すると、青沼さんは両手を俺の顔から離してススっと距離を取ってそ知らぬ顔。
俺は思わず自分の顔を撫でまわして確認する。青沼さんの手が触れていた辺りを中心として冷たい。でも
「あ、青沼さん…、今の…もしかして…」
「…極度の
「嘘つけぇぇぇぇぇ!!!」
冷えすぎだろ! 死体か!! 触ったことないけど!
「どうした、大騒ぎして」
司令がいつの間にか戻ってきていた。
少し荒い息で、汗ばんで
「ダマサレナイヨッ!!」
「何がだよ」
まさかの青沼さんからツッコミが入った。
「ふふ…初めての事だから緊張の糸が切れたのだろう、当然の事だ」
司令はゆっくりと俺の方に歩み寄り、妙に
あ…あああ…あばば…
「
少しだけ熱を帯びて
「きゅぼっ」
人間って、オーバーヒートするとマジでこんな音が出るんだな。
そんな他人事みたいな考察を浮かべつつ、俺の意識はそこで途切れた。
(本編次話【伏線と気付かれないと寂しいから、神はやたら点を打つ】に続くッ!)
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