じっと手を見る厨二ポーズが意外に使い勝手が良くて困る
「ふふふ…今に仕事などと言っていられなくなるぞ」
俺は
なんなのこの人、こんな物背中に背負ってたわけ!!?
「そうしたら、ヤカンを火にかけて
「ら、ラジャー…」
「素直でよろしい!!」
もうどうにでもなれ。
俺は
…などとよく分からないイメージが混ざり始め、イマジネーションが限界を迎えようとしたまさにその時───
ピーーーーーー!!!
「うわっ!?」
ヤカンの口から
えっ、このヤカン、音が鳴るタイプじゃないでしょ?ってそんな事気にしてる場合じゃない。
「どうだ! お陰さまで熱いお茶が飲めるぞ! ありがとう!」
艦長は目を
もはや心の中の
「なんで
俺は自分の両手をまじまじと見た。まさか自分の人生においてこんな漫画みたいなポーズをする日が来るなんて思ってもみなかった。
艦長の持つ湯飲みのお茶は紛れもなくお茶だ。まさに淹れ立ての。ヤカンに触れた時、ヤカンは確かに
それが、
「驚いたようだな。まあ無理も無いかもしれないが。しかし君も映画やゲームで超能力や魔法なんてものの存在は知っているはずだろう? なぜ今更
艦長は俺の心を見透かしたような
「それは…あれはあくまで空想であって、」
「空想と、誰が決めたのかね」
底の見えない瞳が俺を飲みこむ様な
「君がそう勝手に思い込んでいるだけではないのかね?」
情報処理が追い付かない。脳が悲鳴を上げている。
「…ッ、誰だって普通そう思ってますよ!」
俺とこのおかしな人のやり取りを、何を考えているのか分からないいくつもの目とスマホのレンズが取り囲んでいた。
俺は
「あなた一体何者なんですか!? 警備呼びますよ!」
警備というただならぬ単語に、水を打った様に周囲が静まり返る。
「ふふふ…、やっと私に興味を持ってくれたようだな…」
止まったかの様な時間が動き出し、再び周囲がざわめき出した。
俺も置かれた状況のマズさに我に返る。
「おっと、少々騒ぎすぎたか…。青年よ、私の事と自分の力の正しい使い方を知りたければ、ここに書いてある場所に来るがいい。そして、君の人生も
押し付けられるように渡された紙きれを俺は思わず握り込む。
「変、化…?」
またしても処理能力限界で
「ではさらばだ! 願わくば再び相まみえん事を! ハッハッハッ、地球の戦士達よ、侵略者たちを
「なんだったんだホント…」
俺だけが、なんだか状況から取り残されていたような気がした。
再び両手を見つめるあのポーズをしてしまう。そこに、もう早くも忘れかけていたメモ書きの存在。
「でも、夢じゃ、無い…?」
非現実が、ある日突然、けたたましくやって来た。
───のかもしれない。
◆◇◆◇◆
先輩がスケブ抱えて慌てて走り寄って来た。よく見ると【大丈夫か!?】って書いてあった。
俺はスケブを奪い取ると先輩の背後に回り込み、シャツの首元からスケブを背中にねじ込もうとした。女性の背中でもヤカンとお茶セットが入るならば理論上可能なハズだ。
【痛いて!!!!】
と書かれていた。何なのこの人。
「
(本編次話【死にたいマイレージとかあったら今日だけで貯まる。2回分は】へ続くッ!)
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