第74話 プールで待ち合わせるのも良いよね?
菊「あれっ? まだ集合三十分前なのにもう二人着いてるんだ。」
和「菊か。 お前も早いじゃないか。」
菊「まぁ主催者側だもん。 それより二人だよ、どうしたの?」
澪「それがーー」
菊「アハハハ! なるほど! 独占欲の強い彼氏に付き合わされたと!」
和「おまッ、もうちょっと言い方をだな、、、」
菊「いやぁ、三条さんも大変だねぇ。」
澪「いえ、私を心配しての行動ですし、迷惑にも感じませんでした。 むしろ嬉しかったですよ? 私を気遣ってくれて。」
菊「、、、三条さんもずいぶん絆されてきたね。」
澪「ッ! 事実ですがもう少し言い方を、、、」
菊「はぁ、ホントにお似合いのカップルだね。 私が入り込む鋤なんかなさそうだ。」
和「ここでその話を持ってくるか!?」
菊「グスン、和樹さんに乱暴に扱われたわ、、、」
和「口調と公衆の面前ッ!!」
燈「あらあら、元気いっぱいねぇ。 準備運動は必要ないかしらぁ?」
菊「お、燈火さんに、、、健翔に誠也まで。 偶然あった感じ?」
燈「えぇ、電車が一緒だったのよぉ。」
、、、燈火さん
澪さんに相談した結果、燈火さんの前でも普段通りの行動をするようにしてる
彼女も普段通りだが、だからこそ落ち着かない
笑顔を浮かべて明るい今の目と、あの時ファミレスで見せた沈んだ目との違いが、怖い
あんな目をしていた燈火さんが、今を明るく笑えているなんて、まるでーー
澪「和樹くん、どうしましたか? 皆さんもう行っちゃいますよ。」
和「あっ、ホントだ。 ごめん今行くよ!」
どうやら考え事をしている間に皆はここを離れたらしい
そうだ、俺はプールにいるんだ
今は楽しもうじゃないか
健「和樹、俺は今、お前と友達であったことを心から喜ばしく思う。」
和「なんだよいきなり。」
水着に着替えていたら、健翔が突然話しかけてきた
健「なんてったって、紅明中の三大美女の水着姿が拝めるんだぞ!? それも一気に! 俺はいつの間に天国へ来ていたんだ?」
和「澪さんを下卑た目で見ようものならお前の両目を潰す。」
なんのためにわざわざ早く来てアレを買ったと思ってるんだ?
健「怖っ!! 誠也は俺の見方だよな?」
誠「僕も、人の彼女を変な目で見ようとするのはどうかと思うよ、、、」
健「遂に味方が居なくなった、、、でもしょうがないだろ!? 美人の水着姿とか目の保養だろ!」
開き直りやがった、、、
和「だとしても俺の彼女をそんな目で見るな。」
健「わ、悪かったよ。 ちょっと冗談が過ぎた。」
しょんぼりする相手を見て冷静になった
和「、、、すまん、俺も少し言い過ぎた。」
健「いや、今回は完全に俺が悪いよ。 一年ぶりののプールだから調子に乗っちゃったしな、、、」
少しの間、微妙な雰囲気が流れた
この空気を割ってくれたのは、誠也だった
誠也「ま、健翔は次を気を付けよう? 和樹も、束縛し過ぎたら嫌われちゃうんだぞ? なーんて♪」
和「誠也、、、」
誠「な、何かな?」
健「ありがとう、そして大好きだ。」
誠「いきなりの告白はいただけないなぁ、、、」
健・和「「これからも友達で居てくれ。」」
誠「、、、素直にそう言いなよ。 ま、仲直りしてくれて良かった。」
男子組は着替えを終えると更衣室から出た
もう女子は着替えを終えていたらしく、出た途端に目についた
菊「遅いじゃないか。」
和「悪い、少し話しててな。」
菊「それよりどーう? 女子の水着だよ? 何か感想は?」
菊はワンピースタイプの水着だった
水着の形は幼いが、花柄の、少し大人っぽさを感じさせる
長い脚が強調されて、菊が着ると破壊力抜群、、、らしいぞ、後の健翔によると
燈「菊ちゃん、そういうのは遠回しに聞くものよぉ。」
燈火さんはセパレートだが、下にパレオ?だっけ?
とにかう、パレオを巻いている
こちらもまた大人な魅力を出している
布に隠された足が歩く度に隙間から見えるのが最高、、、らしい
これも後の健翔談だ
健「あ、その、可愛い水着だと思います。」
誠「オシャレで良いですね。」
友1はいざという時に緊張して声が詰まっているが、友2は流石というか、安定して褒めることができている
和「俺も良いと思いますよ。」
菊「ふ〜ん、、、可愛いとは言ってくれないんだ?」
和「そりゃぁ、彼女が横にいるからだろ。」
そう、先程から横に視線を感じているのだ
菊「、、、和樹もなかなかだけど、三条さんも独占欲強いタイプだね。」
澪「ふん! 和樹くんが他の女の子の水着に興奮してないか心配したりなんかしてませんから!」
燈「澪さん、本音出ちゃってるわよぉ。」
、、、澪さんのツンデレとか可愛すぎダロォ!
普段優しくて素直な彼女がツンデレるというギャップが心臓に会心の一撃!
シオイリカズキは9999のダメージを負った!
誠「そういや、三条さんってパーカーを着てますよね。 黒田さんや皐月さんは着てませんが、もしや日焼け止めを忘れたとか?」
澪「あっ、これは、その、、、」
燈「これはねぇ、独占欲が強い彼氏くんからのプレゼントらしいわよぉ。」
菊「三条さんを他の男の視線から守りたいらしい。 ま、可愛いから問題ないと思うけど。」
和「燈火さんにも話しちゃったの!?」
そう、俺が澪さんに渡したのは薄手のパーカー
パーカーと言っても、泳ぐこともできるタイプのやつだ
漫画とかでも見たことがないか?
こう、セパレートの水着の上にパーカーを着ているファッションを
あれなら完璧だと思って買ってみたのだが、、、
見事の見事に彼女の水着に合っていた
水着と同じ白色で、羽織る形にして着ている
前は留めていないから野暮ったさが出ていないし、可愛さと視線から守ることができる最強の装備だと考えている
燈「うん、センスが良いわねぇ。 見直したわ、和樹くん。」
和「お褒めに預かり光栄です。」
燈「フフ、汐入くんったらぁ。」
劇風にお礼をしてみると、意外とウケてくれた
澪「むぅ、、、和樹くん!?」
和「はい、なんでございましょうか?」
澪「、、、私には、何か言ってくれないんですか?」
カワイスギ
和「もちろん、とっても可愛いよ。 あの水着のままでも可愛かったけど、もっと可愛くなってる。」
澪「、、、ありがとう、ございます。」
顔を赤くしながらテレる彼女が可愛すぎるんだが!?
菊「イチャハラをヤメロォ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます