第60話 澪視点④



和「ただいま〜。」


澪「お久しぶりです。」



 現在、私と和樹くんはお母様にご挨拶に来ています


 この前来た時には私を認めてくださりました


 なので、今日も上手くいくと良いですね、、、




母「おかえりなさい。 澪ちゃんもいらっしゃい。」


澪「はい、またお邪魔します。」


母「話したいことがあるのでしょうし、まずは席に座らない?」


和「分かったよ、母さん。」




 私たちは席に座り、お母様から話し始めました


母「修学旅行、楽しかった?」


澪・和「はい。」


母「そう、、、なら良かったわ。」


澪「あ、遅れてしまいましたがお土産です。」


母「ありがとうね。」


 お土産を棚に置いたお母様は話を続けます


母「それで、話したいことって何かしら。 結婚の報告とかw?」




澪「、、、、、、」


和「、、、、、、」


母「え? ホントに結婚したの!?」


 まさかこちらから言い出す前に当てられるとは、、、流石ですお母様


澪「いえ、その、まだ婚約の段階です、、、」



母「、、、正直、どんな反応をすればいいか分からないわ。 和樹はこの婚約に同意してるのよね?」


和「当然だ。」


 即答! カッコいいです、、、♡


母「次、澪ちゃんは和樹と結婚することに抵抗とかは無いの? 正直、澪ちゃんならもっと良い人をつかまえられるわ。」


和「母さん、、、息子の評価をもっと上げてくれよ、、、」


 先程和樹くんが即答したならば、私もそれで答えましょう


澪「はい、抵抗などありません。 私は、和樹くんだけを愛していますから。」


母「そう、なら結婚して良いんじゃない?」





澪「? えっと、、、他には何か聞きたいこととかは、、、」


母「無いわよ。 だってあなた達が来る前に楓さんから報告されてるし。」


澪「え!?」


和「えぇぇぇぇ!?」


 お母さんが既に報告を!?


 それ以前に、お母様とお母さんって親交があったんですか!?



和「どういうことだよ母さん!」


 和樹くんも目に見えて驚いています


 かく言う私も驚きで頭が埋め尽くされていますが!


母「そのままの意味よ。 っていうか、息子の彼女の親と仲が良くなるのは当たり前でしょ?」


澪「それはそうかもしれませんが、、、」


母「楓さんからたっぷり聞かされたわ。 お互いに愛し合っていることとか、将来のことを真剣に考えてることとか。」


 私たちが知らない間に親同士でそんな話をしていたなんて、、、


 帰ったらお母さんに怒ってもいいですよね?


母「そんなの止めても無駄でしょ? まぁ止める気もないけれど。」


澪「、、、ということは、、、」


母「和樹をよろしくね。 愛し合っているあなた達の結婚を応援するわ。」


澪「ありがとうございます!」


和「ありがと、母さん!」


 和樹くんのお母様から認められました!


 これでお互いの親に認められたことになりますし、一段落つきましたね




澪「あれ? でも初めは私たちの報告を知らなかった様子でしたが、、、」


母「あれ演技。 どう? 騙された?」



澪「お母様、、、怒ってもいいですか?」


 見事に騙されましたよ、、、


 最初のシリアスな雰囲気を返して下さい!


母「フフ、ごめんなさいね。 でも身内ぐらいにしかこんな冗談は使わないわ。」


和「あ、今、身内って、、、」


母「当然じゃない、結婚するなら澪ちゃんは私の娘になるんだから。」


澪「、、、、、、」


 こういうストレートな言葉は和樹くんに似ていますね、、、


母「恥ずかしがっちゃって、、、ホントに可愛いわぁ。」


 そう言って私の頭を撫でてくれます


 その、急に距離が近くなりましたね、、、


母「娘も欲しいと思ってたのよ、、、澪ちゃんは信頼できるし可愛いし、これからは甘やかすことにしたわ。」


和「おい、俺の彼女に近くなりすぎだろ。」


母「彼女じゃないでしょ? 婚約者!」


和「、、、、、、」


 和樹くんも静かにさせました!


 これは私も恥ずかしいです、、、うぅ、、、


 私のお母さんもそうですが、やはり母の力は強いですっ!




 それから、和樹くんのことを聞きたいとのことでお母様にもたくさん話しました


 横で恥ずかしそうにしている和樹くんがカワイイです♡


 普段は天然攻撃をされているので、こんな風に恥ずかしがる彼は珍しいのですよ


 カッコいい彼も、恥ずかしがっているカワイイ彼も最高です!





母「もう遅くなっちゃったわね。 帰りはまた秀和さんに?」


澪「はい。 八時頃に迎えに来る予定です。」


和「あと15分くらいか、、、そろそろ出ようか。」


澪「ですね。」


 私と和樹くんは汐入家を出て車を待つことにしました


 お母様も、送るために一緒に来ました


母「今日は来てくれてありがとね。 イタズラで演技しちゃったことは悪いと思っているわ。 でもそれはあなたを信頼している証拠だと受け取ってちょうだい。」


澪「はい、そう受け取らせていただきます。」



 、、、私は、前からしてみたかったことを頼んでみます


澪「あの、もうお母様の娘となったことですし、名前で呼ばせてもらってもいいでしょうか?」


 前々から名前で呼ばせていただきたいと思っていたのですが、、、


 その勇気が出ませんでした


 ですが、今は和樹くんとの婚約を認めていただいています


 今なら、自信を持って言えます


母「良いわよ。 っていうか、澪ちゃんって妙なところで律儀よね、、、」


澪「ありがとうございます!」



和「あ、秀和さん来たよ。」


澪「またお別れですね、、、」


母「また来てもいいのよ。 次はいつぐらいに来れそう?」


和「そうだなぁ、、、期末テストもあるし、夏休みかな。」


母「そう。 なら準備して待っておくわ。 またお話してね?」


澪「勿論です。」


 そうして車に乗りました


母「またね、澪ちゃん、和樹。」


和「また夏休みに。」




澪「また来ます、七海さん。」




 七海さんはフッと笑い、手を振ってくれます


 私も手を振り返しました


七「和樹をよろしくね、澪ちゃん。」


澪「はい、頑張ります!」




 こうして七海さんへのご挨拶を済ませ、婚約の許可をいただきました


 これで一段落つきましたね、、、


 










 、、、今日くらいは、思いっきり甘えても怒られません、よね?











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