第56話 大阪って良いところいっぱいあるよね?



健「和樹ってやっぱ変わったよなぁ。」


 おっと、その質問は澪さんに昨日言われましたが?


 っていうかお前らも昨日言ったろ


和「そんなことはない。」


健「いや変わったろ。 だって中1とか新学期始まってからの頃のお前ってひねくれてたじゃん。」


誠「『俺って超ダサいだろ?』には流石に呆れたけどね。」


和「、、、だから、変わってないって。 今も澪さんの凄さに日々落ち込んでるよ。」


 ちゃんと話し合ったとはいえ、落ち込むには落ち込むのだ


 澪さんのおかげで復活が早いだけで



健「あ~〜、、、確かに三条さんハイスペックだからなぁ。」


誠「和樹がそんなふうに思うのも仕方がない気がする。」


和「でも澪さんのおかげで元気を出せるのも事実なんだよ。」


健・誠「「、、、、、、」」


和「おい、なんで黙る?」


 急に無表情になって、、、人が珍しくカッコつけたのに恥ずかしいだろ


 なんか反応してくれ


誠「ご、ごめんよ。 和樹のバカップルぶりに驚いて言葉が出なかったよ。」


健「『身近にいたやつが気づいたらバカップルになってた時の対処法』って検索したら出てくるか?」


 違うそういう反応じゃなくてだな


和「もっと友達を応援してくれよ、、、」


健「おうおうリア充頑張れ。」


誠「結婚まで秒読みおめでとう。」



 、、、もうやだこいつら、、、










澪「おはようございます。」


和「おはよう、、、」


澪「ど、どうしましたか? 目の下が暗くなってます。」


和「あはは、、、ちょっと部屋で話しすぎてね。」


 うん、延々と恨みとからかいを聞かされるのは会話に入る、はず、、、


澪「そうですか。 楽しい気持ちは分かりますが、休息はきちんと取らなければいけませんよ?」


和「ありがと。 次から気をつけるよ。」




澪「、、、やはりお父さんに無理を言って、一緒に寝れるようにしてもらうべきだったでしょうか、、、」


 なんか変な独り言が聞こえたような気がしなくもない気もしないけど、まさか澪さんがこんな事言うはずないよな。


 たぶん空耳だろう










澪「それで、今日は大阪ですね。 京都は違いましたが、大阪は来たことがあるので案内は任せて下さい!」


和「頼りになるなぁ。 じゃあ今日は澪さんにエスコートをお願いするよ。」


澪「楽しみにしていてくださいね?」


和「うん。 楽しませてもらうよ。」


 あ、言い忘れてたけど大阪は完全に二人っきりだ


 昨日の俺たちの行動を見た菊、友1、友2が決めた


 どうも俺たちが一緒だとイチャハラ?で観光に集中できないらしいとのこと


 まぁ、迷惑かけてしまっているなら、仕方がないか


 燈火さんは何故か不満そうな顔をしてたけど、、、


 










澪「ここが大阪城の天守閣です!」


和「、、、やっぱ凄いね。 写真だったら何度も見たことあるけど、生で見ると圧巻だよ。」


澪「地上55メートル! ここから見える大阪の景色も良いものです。 あ! あそこに見えるのがあべのハルカスですよ。 後で行く予定なので、あそこも楽しみにしててくださいね?」


和「凄い調べてきてる、、、」


澪「フフ、昨日の和樹くんをお手本にしました。 それにデートの時は下調べが一番大事って燈火さ、、、いえ、なんでもないです。」


 燈火さん?


和「燈火さんがどうかしたの?」


澪「何でもありません気にしないで下さい。 あ、もうそろそろ移動しましょう。」


 ??


 気になるけど澪さんが言いたくないならいいか


 










澪「お次は先程伝えたあべのハルカスです。」


和「高いな、、、山以外でこんな高いところに来たのって初めてかも。」


澪「楽しんでいただけて嬉しいです。 ここには様々な店舗がありますので、昼食を取ることも出来ます。 ここで昼食をとりましょうか?」


和「良いね! 何にする?」


澪「そうですね、、、昨日の昼食、夕食と共に和でしたので、ここは洋食でいきましょう。」


和「あ、じゃあオムライスとかどう? この前テレビでやってたお店のオムライスがとっても美味しそうでさ。 一度食べてみたいと思ってたんだ。」


澪「では行ってみましょうか。」










和「美味しかったね!」


澪「そうですね! 卵がふんわりしててライスも味がしっかりついていて美味しかったです。」


和「選んでよかった、、、エスコートが完璧すぎて、ちょっと悔しかったし。」


 ここまで完璧にエスコートしてくれている澪さんはとてもかっこよかったけど、


 俺より上手で少しネガティブになった、、、




澪「、、、ごめんなさい。」


 澪さんが悲しそうな顔をしながら謝ってくる


 でも、澪さんは全く悪くない


 もっと出来たはずの俺に責任がある


和「謝らないで。 その代わり、次のデートの時は期待してて。 もっと澪さんを満足させてみせるから!」


澪「ありがとうございます、、、期待させてもらいますね?」


和「うん。 楽しみに待っててよ。」


 次のデートはもっと準備して、澪さんをもっと楽しませてみせる


 、、、まさかデートでのライバルが澪さんになるとは、、、











 こんな感じで、3日めの京都散策を楽しく過ごした


 『澪さんにデートで勝つ』という新たな目標も出来たのは意外だったけど、、、


 修学旅行も、終わりに近づいていた






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