第55話 テレビ電話って、する機会あんまりないよね?

秀「やぁ、修学旅行は楽しんでるかい?」


和「はい、お陰様で。」


楓「お土産は買ってくれてる?」


澪「勿論です。 八ツ橋を買ってますから。」


楓「ありがと。 帰ってきたら皆でお茶しましょう? 修学旅行の話をしながら。」


 三条家にいる秀和さんと楓さんにテレビ通話をかけた


 頼まれていたお土産を買ったことを伝える


 帰ってからの楽しみもできたな 




秀「それで、いきなりテレビ通話なんてどうしたんだい?」


和「はい、お伝えすることがあって、繋げさせてもらいました。」


秀「それで、要件は?」



和「、、、澪さんにプロポーズをしまして、、、OKをもらいました。 すみません、婚約の挨拶がこんな形になってしまって。 でもすぐにしたくて。」


 よし、言った、言ってやったぞ


 秀和さんたちの反応は、、、笑ってる!?


楓「やっと和樹くんが決意してくれたのね!」


秀「澪も横で幸せそうな笑顔だし、僕達も祝福するよ。」


 ホントだ澪さんもいい笑顔、、、じゃない! 


 ちょ、ちょっとちょっと!?




和「もっと別の反応したりしないんですか!?」


秀「別の反応とは?」


和「だからその、、、怒ったりとか。」


 中学2年生で結婚の約束とか、怒る親も多いのではないだろうか


楓「怒るわけないわ。 私たちは澪を信頼しているし、その澪が信頼している和樹くんのことも信じているのよ。」


秀「そう。 実は会って話したときから、君は信頼できるし澪を幸せにしてくれると確信していたんだよ? 後は君の覚悟だけだった。」


楓「そんな和樹くんが決意したんだもの。 喜ばずにはいられないわ。」


澪「お母さん、、、お父さん、、、」



 なんだ、秀和さんたちはとっくに覚悟してたんだ、、、


和「ありがとうございます、お義父さん、お義母さん。 澪さんを必ず、、、必ず幸せにします。」


 画面越しだけど、二人の目をしっかり見て伝える


 二人の信頼に応えられるように、俺も力強く答えよう


秀「やっと『お義父さん』と呼んでくれたね。 澪を頼んだよ。 そしてこれからもよろしくね。」


楓「夫婦の仲で困ったことがあったら相談してね? イイコトを教えてあげる。」


 秀和さんからは澪さんを頼まれた


 楓さんは、、、なんか怖いから本当に困ったときだけにしよう



和「、、、本当に、ありがとうございます。」


澪「和樹くん、そろそろ時間ですよ。」


和「そっか、、、それでは、また帰った時に。」


楓「じゃあね〜♪」


秀「残りの修学旅行も楽しむんだよ。」


和「それでは。」


楓「おやすみなさい。」


 別れを終えて、テレビ通話を切る




和「ふぅ、、、良かった、認めてもらえて。」


 秀和さんたちのことは好きだから、これで拒絶なんてされたら立ち直れなかった


 だから本当に嬉しい。 認めてもらえて


 、、、でも、自分の娘のパートナーに対してハードルが低くないか?


 、、、少し不安



澪「両親は和樹くんのことを本当に信頼していますよ? 誰にでもこのような事を認めるわけではありません。 和樹くんだけなので、自信を持ってくださいね♪」


和「、、、澪さん、キスしていい?」


澪「、、、一応理由を聞いておきます。」


和「澪さんがカッコよすぎて惚れ直したから。」


澪「何故か雑な理由ですね、、、」


 しょうがないじゃん! だってほんとにカッコよかったのに!


 彼氏の俺よりカッコよかったんですけど!?


澪「でも、良いですよ。 幸い周りに人はいませんし。」


和「ありがと。」




 俺は澪さんを抱き、口づけを交わす


 キスするまで澪さんは少し不満そうな顔をしていたけど、顔を離して再び見ると蕩けた顔をしていた


和「澪さんって時々分かりやすいよね。」


澪「もうっ!、、、だって、雑な理由だったからモヤッとしていましたが、した途端に心の中が満たされていってーー」


和「ストップ。 これ以上聞いたら俺が恥ずか死しちゃうから。」


 自分とのキスの感想を改めて聞くとハズい


 しかも言ってる最中も蕩け顔だったから俺の理性が崩壊寸前だわ


澪「ふぅ〜ん? 恥ずか死、ですか、、、」


 あ、シマッタヤラカシタ


澪「和樹くんっ♡」


和「ムグッ!?」


 飛びついてきてキスしてきた


 いきなりのことだったから対処できず、もろに唇が当たる


 ーー積極的な澪さんは少し怖いけど、その分刺激があるなぁ


 ーー俺だけが仕掛けるんじゃなくて、澪さんからも良いよなぁ


 こんな事を考えるくらいには理性が崩れてました、、、ハイ


澪「どうですか? 私からの仕返しです!」


 顔を離した後の、してやったり顔も可愛い


 珍しい表情を見てるのもいいけど、負けたままじゃいられない


和「うん、気持ちよかったよ。 澪さんってキス上手だよね。」


澪「っ!、、、和樹くんには敵いません、、、」


和「フッフッフ、仕返しに仕返しされたのはどう?」


澪「むぅ、、、」




 そんなこんなをしてたら、消灯時間10分前になってしまっていた


和「ヤバい! 急いで部屋に戻らないと!」


澪「急ぎましょう!」


 駆け足で部屋に向かう


 小走りで5分程度進むと、男子の階と女子の階との分かれの階段に着いた


 もう監視の先生は椅子に座っている


澪「それでは、また明日。」


和「おやすみ、澪さん。」


澪「和樹くんも、おやすみなさい。」








 今日も、楽しく過ごせて良かった





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